リセットボタンのないクロノグラフを見せてもらった

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時計好き友達である🅿️君が、新しく入手したらしい一本。

詳細は全く不明ながら、コンディションの良さは文句なし。やや針にくすみが見られる他はとてもきれいである。

ロゴには、Lucerneとある。スイスメイドと書いているからには、そうなのだろう。



裏面。ビンテージ時計らしい清々しさに溢れている。

側面。打ち傷はあるものの形は綺麗に残っている。


ベゼルもピカピカ!

この時計、面白いことに、クロノグラフが通常のスタート、リセットボタンではないのである。

どういう操作になるかというと、二時位置のプッシャーで、センター針を動かすことができるのだが、止める時には、四時位置のプッシャーを押す。

そして進める時にはまた二時位置のプッシャーを押すのである。

…そう、それだけ。

リセットできないのだ。笑 純粋にスタートボタンとストップボタンがあるだけ。

安価なクロノムーブにはこのようなものもあると聞いた事はあったが、実際操作してみるのは初めてだったのでした。

ゼロリセットがないため、写真を撮るならカッコよく写すためにものすごくタイミングよく秒針を十二時位置で止める技術が求められる。

一度やらせてもらったが、一秒前に止めてしまい失敗したのであった…




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明けましておめでとうございます。今年もこれを読んでいる今そこのあなたと、その家族の皆様にとって幸多き一年になることを祈念しております。

…ブログタイトルに憧れであるデイトナ(※16520)の名を冠して細々と続けているのだが、この後も細々と続けていこうと思う。

さて年初にあたり、僕の愛するビンテージ時計というものについて、あるいはこのブログを書いている意味について考えたことを整理したので、アップしておこう。


ビンテージ時計とは?
決まった定義はないが、個人的には30年くらい経った時計はビンテージ時計として捉えて良いのではないかと思っている。僕がビンテージ時計を好きな理由は、まず機械式であること、デザインが洗練されていること、そしてそう高くないこと、が理由である。


ビンテージ時計を得る
新品で売っているビンテージ時計など存在しないため、ビンテージ時計を得るには必然的に店舗あるいは誰かに譲ってもらう、あるいは売ってもらうことになる。ご存知の通り世の中にはヤフオクをはじめとしてメルカリやebay、さらにはChrono24などの時計専用の売買サイトがいくつもあり、その中から欲しい時計を発掘し、手に入れることになる。今日日オンラインで買うのがもはや当たり前で、当然ながら画像や文章、メールでは判別できない点は山ほどあり、そういった当たり外れへの期待もビンテージ時計購入の一つの楽しみといえる。

しかし、時計を得る上で、自分はなんのためにどのような時計を得たのか、考えたことがある人はいるであろうか?

ビンテージ時計のアイデンティティ
昔の有名な思考実験に、テセウスの船の逸話がある。

テセウスアテネの若者と共に(クレタ島から)帰還した船には30本のがあり、アテネの人々はこれをファレロンのデメトリウスの時代にも保存していた。このため、朽ちた木材は徐々に新たな木材に置き換えられていき、論理的な問題から哲学者らにとって恰好の議論の的となった。すなわち、ある者はその船はもはや同じものとは言えないとし、別の者はまだ同じものだと主張したのである。

つまり、ある船の一部分が朽ちて新たな木材と交換された時、それは元の船と同一と言えるのか、あるいは、オリジナルの船に実際に使われていた朽ちた木材を集めて同じような船を作った時に、それはオリジナルの船と言えるのだろうか、という問いかけである。

翻って、ビンテージ時計ではこの認識に共通の考え方がなく、全てコレクター個人の信じるところに拠っている

ある人は全てが元のオリジナルでないと納得しないし、ある人は部品が交換されていても、それが正規のメーカーによるものであれば構わないという人もいる。もっと緩いと、交換されたパーツが新たに別作されたものでも構わないという人もいるし、さらには文字盤自体が一度消され、第三者によって新たにプリントされ直したものでも構わないという人もいる。

時計の場合、絵画や宝石と違い中に機械が入っていてそれが実用できるものであるため、より一層話がややこしくなる。

繰り返すが、ビンテージ時計のアイデンティティをどこに置くかというのは、個人の考えによるもので、衆目の一致する共通見解というのは存在し得ない。

考え方のヒント
しかしこの問題については、考え方の一つとして、哲学者アリストテレスが四原因説という形で説明をしているものが参考になる。以下、ウィキペディアからコピペする。

ーアリストテレスの言う4種の原因とは即ち、
質料因、形相因、作用因(「始動因」や「起動因」とも)、目的因
の4つである。


時計で例えるならば質量因はステンレスや金、プラチナなどの材料、形相因は人が想像するその時計の本質であり、ロレックスで例えるならば王冠マークのついたピカピカした時計、というようなものである。

作用因は時計が存在することになった動作、すなわち時計の製造や修復のことを指し、最後の目的因とは時計の目的、たとえば正確な時間を刻むこと、あるいは資産的価値を生み出すこと、などが該当する。

中国で買うような明らかな偽物のロレックスの場合、形相因のみ満たせばそれで良いと考える者が買うのだろう。闇サイトなどで売られる、本物に限りなく近い偽物、いわゆるスーパーコピーなどの類は、作用因には拘らないが他の原因を求める者が買う。

逆の見方をすれば、四つの原因のそれぞれの完璧度をどの程度で捉えるかにもより、たとえば作用因に完璧性を求める人であれば、例えメーカー純正の部品によって壊れて部品が修理されたとしても認められないだろうし、質量因に完璧性を求め他に対してはそうでもないという場合、時計の部品が金や良質のステンレススチールでできてさえいれば、後付けの部品交換、修理には気を払わないであろう。

…少し長くなったが、ビンテージ時計の価値を何に置いているか、どこにアイデンティティを見出しているのかというのを自覚するのは大切なことで、お金の使い方や情報収集にかける時間など、限られた資源を時計という趣味に投入するにあたり、知っておいて損ではない事のように思われる。

そう思わせるに足る事例を以下にご紹介する。


時計愛好家による7千万円の大型訴訟
ニューヨークで、さるセレブ歌手のお抱え時計バイヤーが、"偽物のロレックスを売りつけた"として顧客である歌手により訴えられた事件があった。かなりの大型訴訟で、なんと650,000USDという規模であった。歌手は時計のコレクターとして有名で、特にビンテージロレックスの熱心なファンであったという。

ビンテージ時計好きなら、このニュースの背景をなんとなく理解できるだろう。
おそらくはこのバイヤーが仕入れ、売った時計の中に、一部のパーツが取り替えられていたり、あるいは新たに作り直されていたりしたものがあり、そのような時計をロレックスのオフィシャルメンテナンスに出した時、本物ではないという認定を受けたもの…という感じではなかろうか。

この事件は、とりもなおさずテセウスの船のパラドックスをなぞる好事例である。

バイヤーのロバート・マーロンはその筋では有名人であり、このニュースが出た当時から擁護的な記事が多かった。重要な顧客の1人であるこの歌手に悪意を持って時計を販売したとは考えにくい。歌手のジョン・メイヤーは時計に情熱的であったろうし、バイヤーのロバートはビジネスマンであった。
その点に、お互いに時計のアイデンティティに関する哲学の相違があったのであろう。

あなたはこの件について、顧客のメイヤーか、バイヤーのロバートか、どちら側により感情移入できるだろうか?

僕は、訴えられたバイヤーのロバートに同情を覚えた。
何故なら、古い高価なビンテージ時計については、百パーセントオリジナルの純正部品で出来ていることなど到底証明が不可能だからである。また、そのようなことは奇跡が起こるレベルでありえないからである。万一ありえたとしても、それを証明するのは悪魔の証明に近い。

…ましてやビンテージロレックスである。
想像に難く無いことではあるが、ビンテージロレックスの貴重モデルは本物より多くの偽物が出回っていると言われるほど、とても洗練された贋作ネットワークが構築されている、らしい。さらには、ロレックスは文字盤やベゼル、ケース、ブレスレットなど、どのような仕様のものがどれほど製造され、売られたかを公開する事は無いため、たとえ一部分であっても本物か、当時のものかなどの鑑定すら容易では無い。

しかし別の人は、あるいはあなたは、顧客の歌手、ジョン・メイヤーに、より同情するのかもしれない。時計のプロであるバイヤーが、高価なビンテージ時計の真贋を、たとえ時計の一部分に関しても怠るというのは許せないのかもしれない。高価な買い物である時計に、一部でも、極端に言えばネジ一本でも新たに作成されたパーツが使用されていたら、それをロレックスの秘匿された情報と照らし合わせて調べ上げ、顧客に全て通知する義務があると考えるのかもしれない。

これは考え方の違いであり、どちらが正しいというものではない。

…さてしかし、この訴訟について耳にした人は多いだろうが、果たしてどれだけの人が結末を知っているだろうか?


結末については、このような記事を見つけた。これ以外の内容の結末を書いた記事を見つけられず、似たような内容の記事はいくつか発見されたためおそらくは本当だと思われる。不思議と日本語の記事は見当たらず英語記事しかなかったのだが、どうかリンク先に飛んで自分の目で確認してみてほしい。事実は小説より奇なり、である。

まあ簡単に言うと、ジョン・メイヤーは、自らの訴えが誤っていたと認め、ロバート・マーロンは真にプロフェッショナルな時計のディーラーであり、一切の金銭のやり取り無く和解した。
なんと、これは原告と被告の共同声明である。

多くの時計ファンにとって好ましい結末であろう。


時計への愛
このブログは、時計を愛する男により書かれている。そして、多くの読者もそうであると信じる。

しかし、この世に全く同じ思考、全く同じ価値観の人間など存在しないように、時計に対する価値観や考え方は、僕と読者、あるいは読者と読者で様々であろう。
そこに相違はあって当たり前だし、それを憎しみや悲しみなどのマイナスの感情に転嫁させる事などあってはならない。もしそうなりそうならすぐにブラウザを閉じ、『いつかデイトナ欲しいよね』を二度と開くべきではない。これは僕のブログ以外に対しても同じだし、なんなら僕自身も似たようなことをすることがある。

ではなぜ、互いに相違がありつつも時計について記事を書き、読んでもらいたいと思うのか。僕は、

時計への愛は、人類が時間という概念を自覚することへの驚きと、それを道具という形で具現化させた人類の叡智への畏敬が根底にあるものと信じている。時計は、人間の生み出した、神にその発明を誇れるものの一つであるとさえ考えている。

読者の皆様と、ブログを通じてこの心が少しでも通じ合えるとすれば幸いである。

今年も何卒宜しくお願い申し上げます。

ハミルトンに、本革手縫いの革ベルト!

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先日メンテしたハミルトンにつけた茶色の革ベルト。よいねえー!本革手縫い。

黒文字盤には濃いめの茶色が合うと踏んだが正解であった。


みよ、この凛々しさ!

この潔い三針時計こそが、自信と大胆さを与えてくれる。持ち主はこれからもこの時計とともに稼ぎまくってくれる事であろう。


裏側。カッコ良い!

革ベルトはブレスに比べ軽く、柔らかい。よって、何気ない瞬間に時計を意識する事が減ることになる。
より一体感が深まり、さり気ない存在となるのである。

綿シャツとの相性も良し!いやーほんと、この黒文字盤、カッコ良い。

こういういい時計を若い人がしてくれていると言うのは、時計好きとしては嬉しいもんですなぁ。

ロレックスのオープナーゲット!

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工具ゲットシリーズが続くが…

 
フロンティアのロレオープナー。ヤフ某クでゲット。古そうだが一式揃っているので問題ないであろう…


右奥にあるパソコン用のマウスと比べて貰えばわかるのだが、想像してたより1.5倍くらいデカい。

開けたところ。右のレバーのようなやつに、黒いコマを取り付けて使うようだ。

左上に見える金具は、裏蓋を開けるための大型工具である側開器に取り付けて使うためのアタッチメントであろう。いつか欲しいなぁ…


ロレックス、でなくてロレックスを開ける工具であるところがやや悲しいのだが、開けるときはいつも店まで行って金払ってただ開けてもらうだけで悔しかったので、良い買い物をしたと思いたい。

一点心配は、ちゃんと使えるかの確認をしてないことであるが…、ま、いいか。


ミニルーターをゲット!

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念願のミニルーターをゲット!



ブツはこれ、ドレメルのコードレスミニルーター。コードレスは必須条件であった。

サイズ感も手頃である。


なんと、先端にはLEDライトが三つくらいついてて、手元を照らしてくれる。僕は電動ドライバーでも同じようなのを待っているが、このライトが本当に便利なのである。

合わせて買ったコレットセット。市販のドリルもこれでばっちり対応!!

あと例えば爪楊枝とか綿棒、縫い針も装着できるようになる。

試しにバフにサンエーパールを塗り込んで、テスト用のジャンク時計で研磨してみる。

左側のラグが軽く当てて数秒研磨したもの。右側が未研磨。
くすみ放題のジャンク時計がピカピカに…!!


お気にの手巻き時計も研磨してみた。

主な用途は研磨なのだが、結構馬力があるため切断や切削、穴あけでもそこそこ使えそうである。早速携帯ケースに紛失時の連絡先を手彫りしてみたが、結構うまくできた。楽しい。

とりあえずこれで研磨が楽になる、かつ楽しくなれば良いなあ。


バルカン クリケット ノーティカル in 白黒

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かっこよい…



モノクロは特によいね!



竜頭側。
オリジナルは確かダイバーズちっくな格子柄の竜頭だったと記憶しているが、復刻版は、vをかたどったブランドロゴが描かれている。

ブレスの質感は素晴らしいのだが、やはり重いのではやくシリコンバンドを探してあげたい。
純正のものがあれば一番いいのだが、果たしていつ見つかるものやら…

SINN EZM3とのツーショット。
どちらも良い…😭



Hamilton Viewmaticのクリーンアップ その4

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部品の乾燥を待つ間に注油をば。
テンプ受けの耐震装置のバネを取り外す。

すると、こんな塊がポロっと出てくる…


これが受け石。小さい。
一番上の石を開けて、古い油を爪楊枝で拭き取り、新しい油を差す。
そしてそれを穴に戻して、耐震装置のバネを戻す。
バネを戻す時はこの上なく優しくはめ込まないと、耐震装置が曲がってしまうので注意。



地板。
洗浄してないため、ベンジンをつけた爪楊枝と、ロディコとブロアーで丁寧に汚れを取る。目に見えない金属片とかはロディコでほぼとれるはず…


コハゼと、洗浄した丸穴車を取り付ける。AO-3を注油。
ピカピカ!


その他も黙々と組み上げていく…


んで、テンプまで着けて、テンプ受けのネジを締める前に、こんどはテンプ受け側の受け石に注油。
さっきと同様に耐震装置をぱかっと開けて、石の間を拭いて注油し、また戻して耐震装置をはめ直す。その後、テンプ受けのねじを締めて固定する。ぱかっと開いてる耐震装置をご覧ください。↓

ケースの研磨も忘れずに。このケース、何と部品を組み合わせて作っているため、仕上げが微妙に異なるパーツが混ざっている。ので、マスキングテープで、異なる仕上げのところを覆い隠して、鏡面仕上げの部分を磨く。
これは磨く前。


磨いたあと。ピッカピカ!!!



逆側も同じように。。マスキングテープをはがして付け直す。サンエーパールでひたすらこする。つっても一分くらいでキレイになる。



ケースが終わったらもう一度洗浄して、乾燥させたあとにムーブを装着。
これはもうムーブメントホルダーまで装着してしまった後の写真。
裏蓋もスタンバイ済みである。こびりついた茶色い汚れはベンジンや爪楊枝、サンドペーパーでこすって落とす。

さてここで、これまで大活躍であったパッキンにもう少し頑張ってもらうべく、グリース塗布。

いつもの塗布ケースにぶちこみ、ふたをしめてぐりぐり回すと塗布完了。

ピンセット二本を使い、抑えたり引っ張ったりしつつ裏蓋にパッキンを装着!
今後数年は、文字通り水際で水分の侵入を抑えてくれる役割を果たすことであろう。

パッキンは、さらにサランラップをつかってしっかりピンセットで押さえつつ、はめ込む。途中でねじれなどがないか注意すること。また、グリースがサファイアガラスなどについてしまわないよう、気を付ける。

裏蓋を閉める前に、お楽しみの歩度調整。
さすがETA-2824-2、この精度である。素晴らしい。ビンテージ時計に慣れていると毎回驚かされる…


できあがり!!みよ、このツヤ・・・

龍頭周りもこの通り。ぴっかぴか!

ひとまず緊急メンテを終えたHamilton君。生まれ変わったようである。
微妙にではあるがカレンダーの切り替えタイミングも調整しなおしておいた。

お試し用に革バンドを装着してテスト運用(という名の無断借用)。
よいねーーかっこよい!!



というわけで、Hamilton Viewmaticのメンテナンスでございました。


持ち主のT君には、個人的に似合いそうな革バンドを選んで勝手に買って、
抱き合わせで返却しようと思う。他人の金で選ぶ革バンド美味しいです。

Hamilton Viewmaticのクリーンアップ その3

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ムーブメントの分解に入る。




自動巻機構を取り外す。

裏側はこうなっている。

ムーブメントは、ETA2824-2。右にあるロゴがETAを表す。関係ないが、このロゴが文字盤にプリントされたビンテージクロノをたまーに見るのだが、あれはどーいうものなのであろうか?

テンプを外す。


丸穴車を外す。と。うおっ…汚れが…

アンクルを外す。アンクルを外す前に、必ず香箱のトルクが残ってないことを確認すること!!
香箱を指で押さえながらオシドリをピンセットで解放し、ゆっくり回してゼンマイを解いていく。ていうか、整備の前には無闇矢鱈に巻かない…よね?


すると…釣れた釣れたw
アンクルがドライバーに吸い付くほどの磁気を初めて見た。


ヒゲ持ちもこの通り、見事なまでに帯磁している。ネジがくっついて持ち上がる。すごっ!!

速攻消磁器で消磁する。中華製のかなり怪しい器械なのだが、ちゃんと消磁できるからすごい。写真撮り忘れた。



輪列受けを外す。


香箱受けも外す。


さて、自動巻機構の分解に入る。裏側のプレートを外しバラす。


香箱内部。外壁付近にAO-3を塗布し、内側にはグリース。


ケースといくつかの部品を超音波洗浄。今回は日の裏側はバラしていないので、地板は洗浄せず。油汚れやカスは、ロディコや爪楊枝にベンジンを染み込ませたものでこすって取り除いた。


つづく…

























Hamilton Viewmaticのクリーンアップ その2

では、バラし始めるとしよう。


…この皮脂汚れよ

裏蓋はスクリューバックではなくネジ止め式であった。今はいいが、10年…20年と経ったときにネジはまだちゃんと着脱できるのだろうか?

あるいは、メーカーのオーバーホールに出せばちゃんと取り替えてくれる部分なのだろうか。

残念ながら今の僕の知識と技術では、このネジの強度を高めたり耐久性を強めたりといった処理は分からない。ので、洗って再利用するのみ。
やはりネジ止め部分までは汚れが浸透し、このように頑固な汚れがこびりついている。
ここからサビなどが発生し防水性能が落ちれば大変危険。なので、今整備やっといてよかった。こいつらはベンジンをつけてこすったり目の細かいサンドペーパーでこそぎ落とす。

しかしさすが、ムーブメントをケースに固定する金具も立派で、綺麗である。梨地になっていて安っぽくもない。

その金具を取り外す。これなんて呼ぶんだったかな、ムーブメントホルダーやったかな?


ムーブメントを取り出したところ。

取り出す時は、機械台を逆さにして時計に当てて、そのまま反転させてケースだけを持ち上げる。

こうしないと、ムーブや針が傷ついたり、曲がったりする。


針を外す時の必須ツール、サランラップ。極細のドライバーを入れてテコの原理で針を外す。
文字盤を傷つけないよう、針を汚さないよう曲げないよう、ホゾを折らないよう、細心の注意を払う。

針が抜けた。


うーん、きれいなムーブだ…!

文字盤を外す時は、このツメを持ち上げて外す。どこの特許かは知らないが、これはETAの偉大な工夫であると思う。

むかーしこれがわからず30分悩んだ末、マニュアルを開いてようやく外し方が分かった、ということがあったw

文字盤を外したらついつい裏側を覗き込んでしまう。裏側までキレーだなあ。きちんとムーブの外周を覆うように輪の部品が取り付けられているが、こうする事により衝撃などで文字盤に生じるわずかなズレを抑止できるのであろう。知らんけど。


日の裏側。時計は、外から見た時とムーブを取り出した時で裏表が入れ替わる。こちらは『裏側』である。


さすがハミルトンに搭載されるETAは質感が高い。ピッカピカである。


つづく。














Hamilton Viewmaticのクリーンアップ その1

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とある覇権会社(派遣会社ニ非ズ)のやり手の若手営業が巻いていたこの時計、

Hamilton Viewmatic
黒文字盤にドーフィンハンド、ミックスインデックスのキリッとした出で立ちのハミルトン自動巻デイト付き。


うーん、かっちょいい!!

八連ブレスの質感は高く、巻いていてとても柔らかく感じる。さすがハミルトン…おそるべし。

ビンテージ時計大好きの僕であるが、明確にビンテージ時計が現代時計にかなり大きく劣る点、それはブレスである。

ビンテージ時計のブレスの価値や楽しみは希少性という要素が多分に含まれていて、装着感や長さ調整の利便性などはイマイチという事も少なくない。

それに比べ、このハミルトンの時計のブレスの質の高さと言ったら、もはや極上と言ってよい。
素材の調達や加工機械の発達、人材チャネルの多様化など色々な理由はあるのだろう。あるいはロレックスが、かなり頻繁にブレスレットの仕様変更を行う点から見ても、日進月歩の世界なのであろう。


閑話休題。


…しかし、時計を手に取ってみるとどうも動きがおかしい。手巻きの感触が重い上に引っ掛かりがあるようで巻きが悪く、シースルーバックの中をのぞいて見ても心なしか乾いているような印象。


裏側。
ネジ周りの汚れから、公私にわたる
パートナーとして使い倒してきたのだろうなぁと、想像できる。




ので、預かってクリーンアップする事にした。ハミルトンの時計は初めてバラすため、楽しみ、楽しみ…


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