カテゴリ:
洗浄、すすぎ、乾燥を終えて組み立てに移る。乾かすのが時間かかってめんどいんだよなぁ、乾燥機とかあればいいのになぁ…

地板。
IMG_20180510_021551

香箱はゼンマイを取り出して洗う勇気がないので、よほど汚れてなければグリーシングと注油で済ます。たぶん新しいのに変えてもそんなに高くないはず…
IMG_20180510_022403

日の裏側から組み上げる。毎度のことながら、こちら側はひやひやする。

組み上げたらリューズを回してきちんとキチ車がツヅミ車と噛み合って空回りせず回ること、一段引いてカレンダー送りが無事動くこと、さらに一番引いた状態で日の裏車やツツカナ車がきちんと回ることを確認する。
IMG_20180510_032425

続いて香箱抑えのブリッジの組み立てに入る。細いバネがあるのでやりにくい。じつはこのバネで弾いて1つ歯車を飛ばして焦ってしまった。

よいこのみんなは、先にバネを置かずに、ギアを設置して抑えをねじ止めしてから滑り込ませるように細いバネを入れ込みましょう。

このバネは、香箱の逆回転を抑止する、いわゆるこはぜバネの機構である。歯車にきちんと噛んでいるかチェック。

この画像の様にこはぜバネをさきに仕込んではならない。前々から思うことだが、こういうスプリングは往々にしてさきに抑えを取り付けてから滑り込ませる方が安全、確実に取り付けられる。
マニュアル読んでもこんな事書いてないんだよなー、常識すぎるという事なのだろうか?
IMG_20180513_003415
ネジ小さい…


ドライバーの先端を完璧に研いで磨いておかないと、ネジがぐらついたり傷つけたりしてしまう。これは抑えを置いていまからねじ止めする所。
IMG_20180513_003813

香箱を取り付け、ブリッジをつける。マニュアルを見ながら注油箇所には日本が誇る時計油であるAO-03を注油。ちなみに僕は日の裏側や切り替え機構も軒並みAO-03である。香箱の内側外周にもAO-03を置くように注油する。

じつは香箱を開けた時にしっかり締め切っておらず、少し浮いていたためブリッジをしっかり閉めたあと香箱がうまく回らなかった。
これで20分くらい悩んだ。

みなさん、香箱を開けたらしっかり閉めるようにしましょう💫

IMG_20180513_013422

後は輪列の取り付け。日本が誇る時計用オイル、AO-02を石に注油しながら取り付けていく。
IMG_20180513_020839

この時、いつも頭によぎるのは抑えの取り付けを失敗して、ガンギのほぞを折った苦い経験である。あの時の悔しさは二度と味わうまいと、最高に注意深く取り付けていく。

ガンギ車まで取り付け終わったら、ザラ回しと言ってリューズを回して少しだけトルクをかけ、輪列が回るか確認する。

ヒューンヒューンと良い音がすると気持ちいい!!…しかしトルクのかけすぎと回しすぎは厳禁。スムーズに回るか確認したら必要以上に回さないこと。
IMG_20180513_021548


ザラ回しで異常無しであればアンクルを取り付ける。アンクルをつけたらもうザラ回し出来ず、トルクが溜まっていくだけなのでリューズを回さないようにしましょう。
IMG_20180513_022123


最後にテンプを取り付けて、元気に動き出したらオーケー!何度やっても、この瞬間は感動してしまう。時計の神秘を感じる瞬間だ。
IMG_20180513_022457

元気に動くことを確認したら一旦トルクを解放して止め、テンプの受け石に注油していく。

耐震装置をピンセットで挟んで外し、ハンバーガーの蓋のように穴石にかぶさっている受け石をロディコで吸着して外し、ロディコで汚れを取って、AO-02を注油してまた蓋を閉め耐震装置で固定する。部品が小さすぎるので一息でやるのがポイント。

下の写真は耐震装置を外したところ。画像加工とかできないためとても分かりにくくて申し訳ない…画面中央、パカっと蓋のように耐震装置が開いてるのが見えるだろうか?
IMG_20180513_024547

地板の裏側も同じようにヨゴレ取り、注油をする。右下に写ってるのが耐震装置である。
IMG_20180513_025354

…ひとまず動くところまで組めて一安心。



その6へつづーく。