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先日、以下のような記事をアップした。世界初のソーラー充電時計、Synchronar2100を日本語で表記するとき、どのように書くのが正しいのかというのを考察したエントリである。


結論として、公式にもっとも近い人物の発音を聞く事ができる当時のCM(以下参照)の発声を基に、「シンクロナー」としたのであった。



が!


衝撃的な事実が判明してしまった。


なんとSynchronar 2100は一度日本で正式に輸入され発表されたことがあるらしく、当時すでに日本語表記がなされていたのであった…!!


僕が、そして他の多くの人たちがこのSynchronar 2100を知るきっかけになったであろうWebサイト、“UT Design”にてそのチラシが公開されているので、画像を拝借してここに紹介したいと思う。

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なんと、一新時計株式会社により国内販売された際、「シンクローナ」として売り出されているではないか!!

衝撃的なのはそのフルネーム。「光電腕時計シンクローナ”タイムカプセル”」である。

タイムカプセルという名前は初めて聞いたのでおそらく一新時計のオリジナルコピーなのであろう、あるいはシンクローナよりもタイムカプセルという名前で売り出したかったのかも…と思ったが、ダブルクォーテーションで括られている事から、この”タイムカプセル”はあくまで様子や雰囲気を表す修飾的キーワード、即ちフレーバーテキストのような意味で書いたのだろうと僕は解釈した。

”光電腕時計”の部分も、ソーラー発電の機能説明に未来的な造語を用いたものだろう。

つまりは、やはり「シンクローナ」である。

僕のこれまでの言説は誤りであり、日本語表記は「シンクローナ」で決まり、ということにしたい。

事の重要性

日本語表記がそんなに大事か?と思う人もいるかもしれないが、これは愚問である。大事に決まっている。

我々日本人という民族が、このスペーシーな時計が米国で販売されている事に目をつけ、日本に輸入して販売していた・・・という事実は、大変重い。

なぜ重いかというと、当時からこのような慧眼を持った企業が時計の代理店をしていたということ、そしてその頃から日本の時計市場は世界に開けていて、多様性を有していた事の証左であるからだ。

そして、これは何でもそうだが、最も尊敬されるべきは最初の挑戦者、最初の成功者だ。

メジャーリーグに渡った大谷選手が、足許日本のみならずアメリカでも大きな称賛を持って語られるのはなぜか?それは、(はるか昔に前例があったにせよ)彼と彼のチームの関係者達が、誰もしたことがない事に挑戦し続けているから、である。

でも、「CMだと明らかにシンクロナーって言ってるから、シンクロナーでいいんじゃないの?」 … という向きもおられるだろう。

ダメなのだ、それでは。

最初に日本語で表現した人がシンクローナと書いていたら、例え作った本人がシンクロナーと発音してようが、サインカロゥとか発音してようが、日本語での表記はシンクローナとなるべきだ。

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愛用のシンクローナ、ばっちり動作する

日本語表記の原作からの独立性

その昔 ー 今を遡る事54年、一枚の音楽アルバムが日本に紹介された。オリジナルアルバムのタイトルは、「A Hard Day’s Night」タフな1日、というような意味であった。が、日本ではどういう名前でリリースされたかご存知の方も多いであろう、

「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」

このタイトルは近年に至るまでファンの間に強く根付いており、愛されている。

むしろ、英語を微妙にヒネッていてノンネイティブには少々分かりにくいオリジナルのタイトルより、日本人の感覚に根ざしていて愛着が持てる。



よって、いかに違和感があろうと、例え誤りであろうと、最初に日本語表記した方に敬意を評し、Synchronar 2100はシンクローナという呼び方で確定する。
2100の表記も見当たらないが、これも問題ない。日本語で発音するとやや語呂の悪さが否めない。

販売元への敬意

思うに、当時は当然Youtubeは無いし、メールもビデオも無かった。おそらくは一新時計の担当者が直接、あるいは電話なりで間接的にシンクローナの販売元とコンタクトし、契約条件等取りまとめていたはずだ。

今のように電子メールやWebで画像や文書のやりとりもできず、 どのように上司を説得し、販売店に声をかけ、仕入れ先と調整を進めたのか。相当な粘り強さを持って進められたであろうことは想像に難くない。

当時の一新時計株式会社のご担当者の方に敬意を表すと共に、改めてこういった素晴らしい時計が販売されるほどに成長していた、当時の日本の腕時計市場に驚きを禁じ得ない。

この時代でお値段288,000円というロレックス越えの超高価格でどれくらい売れたのか、誰が買ったのか…などと興味は尽きないものの、それは下衆の勘繰りというものなのだろう。




以上、シンクローナの日本語表記が確定した話でしたとさ。

時間あるときに過去のエントリを書きかえよう・・・・