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おそらく相当の時計好きしか知らないであろう、しかし高級時計好きなら必ず知っているであろうブランド、フランソワ ポール・ジュルヌ (F.P.JOURNE)

一般的知名度はほぼ無いといって良いのだが、独立時計師アカデミー(AHCI)に所属するフランソワ・ポール・ジュルヌ氏により設立されたブランドである。ほかの時計にはあまり見られない革新的なデザイン、18金をムーブメントに使用する豪快さ、そして特徴的なティアドロップ型の針がとてもエレガント。

大手のリシュモングループやスウォッチグループに属しない完全独立ブランドであり年間で1000本にも満たない数しか作成しないため、出回る数も非常に少ない。

代表的な時計をいくつか貼るが、見たことある!という人も多いのではなかろうか?

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これ特によい…


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僕も時計好きの人たちのSNSを結構フォローしているのだが、F.P.Journeはかなり人気があり、とてもうらやましいのであった。

イメージとしては、ロレックスを経てパテックへと至り、ルクルトやランゲに枝を伸ばしつつさらに幹を伸ばしたところにあるブランド・・・という感じだろうか?

このブランドについて、つい先日このようなニュースが持ち上がった。

シャネルがF.P.ジュルヌの20%の株を取得

Chanel acquires a 20% stake in F.P.Journe


なんとシャネルがF.P.Jorneの株の20%を取得したことが、2018年9月14日に明らかになったというニュースだ。これはつまり、FPJとシャネルの協力関係がオフィシャルなものとなり、相互に影響を及ぼしうる事を示している。

内心気が気でないのは現在のユーザーであろう。彼らが魅了され、一千万近い金を払って買ったブランドが大手資本に与する事となり、めちゃくちゃにされないだろうか?デザインがダサくなり、利益偏重で品質が落ちないか?…等々。

ところがこの記事では、ベルロスを例にあげ、シャネルと資本関係を持った時計メーカーはその特性も独立性も保たれるので安心してほしい、まだ慌てるような時間じゃないーーーという主張を展開しているようだ。

さらにこの提携のメリットとして『A big partner like Chanel makes the brand more resistant in case of a downturn of the economy(Chanelのような巨大なパートナーは、ブランドが経済的な苦境に立たされる時により心強く支えていける)』と述べているが、これは他の掲示板でも語られているように、まずはキャッシュフローの強化、そして今後数年、数十年のブランドの事を考えたFPJ幹部の(内心の)念願でもあったのではなかろうか。

ブランド維持のための売却

F.P. Journe Sells 20% Ownership to Chanel: The True Cost of independence』という記事では、ジュルヌ氏が最も多く投げかけられる質問を推測している。それは、

What would happen to the brand when you are no longer around?” 
(あなたが去ったとき、FPJブランドはどうなるのですか?)


というものであり、独立ブランドはそれゆえにこだわりのある製品を作り世界中にファンを持つが、一方大手グループの庇護を受けず、何かの際には経営が立ちいかず、消えていくのではという懸念が払拭されるものではない、とのことである。

これもまさにその通りで、非常に納得できるロジックだ。

そもそもジュルヌ氏の強烈な個性により世界中で何億ユーロもの売り上げをあげているのである。もし氏に不慮の事故が、不治の病が…などという懸念は当然として、成長著しいアジア市場、中東市場は同時に地政学的リスクも相応にはらんでいるため、もし短期的なものであっても戦争や紛争などが勃発した場合に売り上げの大半を失い、キャッシュフローが悪化し経営が立ちいかなくなる…という懸念もある。

この記事も資本提携には好意的な印象を持っており、シャネルの関係者の談話として『シャネルはFPJのものづくり精神、芸術性を理解しており、またそれらを敬愛し、守っていきたいと考えている』と述べている。

これはブランドのファン、ユーザーにとって最も聞きたかった言葉であろうし、このニュースの受け止め方を決定付けるものであろう。おめでとうございます。

シャネルはオーナーもF.P.ジュルヌのファンでありコレクターであるという噂もあるため、むしろF.P.ジュルヌブランドは盤石となったいう見方で正しいと言って言い過ぎではないだろう。ひと言でいうと、タイトルの通り「ええやん!」となる。

僕は個人的にYEMAというフランスメーカーの時計のファンでもあるので、このフランスの二大ブランドが資本提携するというのはとても腑に落ちるものであった。かつて実際に起こったYEMAがSEIKOに買収されたというニュースよりははるかに腑に落ちるw

まとめ

  • 20%の株式売却はFPJノーダメ、資金注入おいしいです
  • シャネルが最初からFPJの独立性キープを表明、つかオーナーがFPJの大ファン
  • 過去にベルロスやグルーベル・フォルセイなど大手資本と提携しても独立性を保つブランドはある
  • ジュルヌ氏個人への依存によるブランドリスクの軽減によりFPJはより盤石に

『いつかデイトナ欲しいよね』は、(どちらも手の届かない高嶺の花であっても)シャネルとF.P.ジュルヌの新たなる歴史を応援しています。