カルティエ 手巻きタンクのオーバーホール その2
ではバラしていこう。
ETA2512。小さい。

この通り、ムーブメントの状態はお世辞にも綺麗とは言えない。
テンプを取り外したところ。
続いてアンクルも取り外す。当然香箱のトルクはゼロ。皆さん、くれぐれもトルクが残ったままアンクルを外さないようご注意を…!色々死にます。
続いて香箱受け。
角穴車、丸穴車を外すとコハゼバネが見える。そしてコハゼはめちゃめちゃ汚い…ネチョっとした茶色の汚れがこびり付いている。何これ?
はい、香箱が見えました。
香箱を取り除き軸の摩耗を見る。良かった、あんまり摩耗が見られない…
という事で輪列の受けを外すと、パラパラと歯車が音を立てて崩れ落ちる。ここに、おそらく数十年にわたるであろうミクロン単位の均衡が崩れ、彼らは晴れて自由の身になった訳である。
表側はもはや何も残っていない。
ので、裏返す。
ツツカナなどを外し、切り替え機構の分解に入る。切り替え機構とは、リューズの押し引きによる動作を切り替えるための機構である。
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