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さあ、いよいよムーブに取り掛かる。



…の前に、ケースはこんな感じ。
これが十万円するのである、、、なんだかなぁ。


こんな汚れ方。超音波洗浄機が手に入ったら、速攻ぶっこみたくなる感じ。


こちらは文字盤のアップ。非常に美しい。感動である。経年で夜光が剥がれ落ちて文字盤を汚しているが、こんなものはロディコといわれる練り消しのようなものですぐ綺麗に取れる。
本当に綺麗なロゴ周りである…感動…



しかし!どうやら、アラームを巻き上げる方の竜頭から、水分が入り込んでいたようだ。素材にダメージはないから安心だったが、サビが少し浮いている箇所があった。

一番困ったのはここ。
文字盤の足を固定するネジが錆びて固着している。ここは時計の中でも特に小さいネジのため、外すのがとても大変だった。
一番細いドライバーを少しづつ砥いで、試しながら使う。最悪、ネジの頭を折ったりしかねない作業でとても神経を使う。最後はなんとか開いてよかった…

どれだけ小さいかお分かりだろうか。

すぐにサビ取りの液に漬ける。

…このネジの画像を見て、どう思われるだろうか?時計を分解するのが趣味の人はきっと、すごくいいネジを使っているのが分かるのではないだろうか。

ジャガールクルトの部品は、ネジ一つとっても、形も整っており質感も高く、とても高い品質を感じさせるものだ。
こんなに錆びていても形ははっきりしていて、美しい造形を保っている。


…それはさておき、
ようやく外れた文字盤。

腐食もサビもない、奇跡的と言えるコンディションであろう。ほんとラッキー!!


針が取り付けられるところ。変形や偏りがないか入念にチェック。無い。



インナーダイアルを曲げないよう、注意して取り出す。結構きつくはまっているので苦労した。


ここは日付切り替え機構。なんとなく苦手な部分である。


ネジを三本外し、カレンダー抑えを外す。これがジャガールクルトの名作キャリバー、K.825の日の裏である。

…なんというか、名作オーラが漂っている…


そこからさらにネジを三つ外し、受けを取り除くとギア類にアクセスできる。⚙

アラーム機構を備えるため、普通の時計の何倍もギアがある。上下を忘れないよう気をつけて取り出す。

ここは、さらにここから受けが二つもあり、とても神経を使うところだ。おそらく、故障や不具合が多いのもこのあたりだろう。とても繊細かつ緻密、効率的に出来ている。
中央右端に、真ん中から四本の腕が生えているのが分かるだろうか?

ここが、竜頭の押し引きによって操作を切り替える肝の部分である。細い部品だが、こんなものを折ってしまおうものなら全てが終わる。

ここ。細い棒が丸い突起と噛み合い、竜頭の操作を切り替える。

この受けが湾曲とかしてても、ギアに干渉してりしてうまく動かないんだよなー。



引いて撮る。
径3.5cm ?ほどのムーブである。ジャガールクルトの時計は、どこを取ってもどこを覗いても美しいのである。いやー、見てて飽きないねぇ…




…さらに続く。