とてもカッコヨイ! Wittnauer Futurama
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僕が機械式時計に興味を持つきっかけとなった一本。
Wittnauer Futurama Retrograde
めっさめさカッコヨイ。
僕はその昔、Watchismoというサイトの看板にこの時計の画像が使われているのを見てから、いつかはこういうカッコヨイ時計を手に入れたいなぁと思っていたのだった。
これがなかなか出回らない。ほんとに。
ウイットナーはロンジンのアメリカでの販売ブランドであるので、まぁまずアメリカでのみ販売されたものであろう。
年数もよくわかっておらず、全部でいくら出荷されたかの情報もない。謎に包まれた一本である。
特にこの黒✖︎金。これが渋い。灰色や白色の文字盤のモデルもあるのだが、この機種に関してはやはりゴールドと黒の組み合わせが本流であろう。これがさらに出回らない出回らない…!
結構頑張って探した末に、二年ほど前?に、コレクターから値切りに値切って手に入れたものである。皮に黄色のステッチが入ったバンドを合わせている。
さて、最近どうも手巻きが重いのでかるーーくメンテナンスすることにした。
裏蓋はこじ開け式で、防水なにそれおいしい?状態である。パカっとあけたらすぐムーブが取り出せる。
ひっくり返して機械台へ。下の写真はすでに自動巻きモジュールと、角穴車、丸穴車のネジをとった状態。キャリバーはETA2784。チュードルなどに採用されている名ムーブである。ハイビートで精度がとても良い。
巻き上げ機構周りにAO-3、輪列にAO-2を注油。
これが自動巻きモジュールの裏側。各ゼンマイをばらして汚れを拭き取り注油。
清掃前のアップ!
んで組み直して表側おしまい。
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あと、針が下端まで降りてから跳ね上がるタイミングが、分針と時針がズレてたのと、インデックスから微妙にずれてたのを治すべく文字盤裏をメンテナンス。文字盤は側面の二つのネジで止められている。
以下は日の裏の画像であるが、これだけ見て、どこがどうなってるかわかる人はなかなかいないだろう。笑。
中央上部の鳥のくちばしが円盤を突いているような部品がお気に入りである。
二つのレトログラード針がピキっと同時に跳ね上がるよう合わせるのは、非常に根気のいる作業。微調整に次ぐ微調整....
終わったら文字盤を付け直してテスト。
長針が、12まで降りたらキッカリ0まで跳ね上がって戻るのを確認。これもかなり難儀な作業だ。調整が甘いと、文字盤を外して、跳ね上げ機構の歯車の組み直しが必要になる。
なお、このモデルは分針が時針の下に取り付けられる。普通と逆。
んでひとしきりケースやら風防やらきれいにして、実用。
かっこよすぎる!
この、左側面の光沢仕上げの面がかっこよすぎなんである。この重厚感、ゴージャス感。いったい誰がデザインしたんだろう???
以上、レアかつマニアックな愛用品のご紹介でした。
コメント
コメント一覧 (11)
同時ハネ上がりは本当に難しいです。一旦調整しても後で微妙にズレてきたりします。針の抜き差しを頻繁に行うのが嫌なので、僕も厳しく調整するのは諦めました…😅
同時は値上がりもですが、インデクスの上端と下端に跳ね上げの範囲を定めるのが難しいです。あと、跳ね上げ車(?)の角度で、跳ね上がる強さの調整もできますが、これも難しいです。結論から言うと、なれないうちは手を出さないほうがヨイですw
現在このパンデミックでアジアですが日本に帰国出来ず異国の時計修理屋さんに気分的に出せなく、、、とりあえずピンセットタイプ針外し、取り付けプレス、x20 ルーペなど工具を取寄せて自分で少し跳ね上がり位置がズレているのを針の取り付け位置で調整できないかと素人の考えなのですが、可能でしょうか?
時間があればで良いので意見お聞かせ頂けたら大変ありがたいのですが!
理由は、
1.異国の時計師は信頼できません。スイスか日本以外では専門教育を受ける事が難しく、大抵は日本の時計師のほうがはるかに信頼できます。
2.針の取り付け位置だけで治るかどうかわかりません。また、長針と短針の合わせも必要になるので、そうなれば文字板を開けて、レトログラードモジュールをばらして調整しないといけません、これはかなり難しいです。細かいバネがあり、飛ばすとスペアの入手が大変難しいです。
3.修理扱いなら関税が安くなると思います、送料・修理費以外にコストはあまりかからないはずなので国内にいるのとそんなに変わりないはずです。
・業者は色々あると思いますが、CMWを持つおじいちゃん時計師がいればウデは確かだと思います。受けてくれるかはわかりませんが、東京のウォッチサービスエイト、銀座のゼンマイワークスなど若くても腕のいい時計師がSNSで情報発信をしたりしています。
しかし、何個かいらない時計で練習してみて、この時計を治すように取り組む…というのもいい宿題になるかもしれませんね。レトログラードモジュールをバラして組むのであれば、注油はしないとして高精度のピンセット、指サック、ルーペ、時計用ドライバー、それらの手入れ用ヤスリ・砥石、などがあればいけるはずです。針外しとかはドライバーで代用可能なのでいらないと思います。ルーペーもこの作業だけなら高倍率でなくてOKです。でも、個人的にはレトログラードモジュールの調整は結構難易度高い作業だと思います…
バラすまでは少し躊躇しているのですが、、、中央上部の鳥のくちばしが円盤を突いているような部品と書かれた分針用スパイラルの円形の穴から分時針の跳ね上がりのタイミングを合わすネジでクレーンをバラさず調整出来るかと思っていて、12時−12時の間は針の取り付け位置である程度はなんて、、、素人の考え方ですね。
日付の調整はしないのでバラすまでは、、、無経験では無理と自分に言い聞かせています。
もう少し考えてみます。
本当にありがとうございました。
あの穴から見えるネジ穴でハネ上がり同期を調整できると書かれてるのですが、時刻送りのハネ方と自然に時間が進んだときのハネ方が違うので、すごい大変です!しかも超微調整しかできないので、結局分のディスクを抜いて合わせることになると思われます。
針のハネ幅(12-12)の調整については一度じっくりやってみようと思ってるのですが、文字板を外した状態だと、どこからハネてどこまでハネるのが正しいのがよくわからないんです。なので、文字板の12時インデックスの延長上のポイントを作業台にマーキングしておいて、ムーブを動かさないように固定して調整するといけるのでは?と考えてます。
こう書くとできそうな気がしますよね…、でもほんと結構難しいんです!せっかくなので自分でやりたいという気持ちもよーーく分かるので、経験をつんでからチャンレンジするのが吉かと思います。
記事にしたかどうかは覚えてないのですが、僕のは1年ほど前に自分でオーバーホール、調整しました。後、自動巻きモジュールをつけたままだと手巻きが重いので、外して使ってます。
あの穴から見えるネジ穴でハネ上がり同期を調整できると書かれてるのですが、時刻送りのハネ方と自然に時間が進んだときのハネ方が違うので、すごい大変です!しかも超微調整しかできないので、結局分のディスクを抜いて合わせることになると思われます。
針のハネ幅(12-12)の調整については一度じっくりやってみようと思ってるのですが、文字板を外した状態だと、どこからハネてどこまでハネるのが正しいのがよくわからないんです。なので、文字板の12時インデックスの延長上のポイントを作業台にマーキングしておいて、ムーブを動かさないように固定して調整するといけるのでは?と考えてます。
こう書くとできそうな気がしますよね…、でもほんと結構難しいんです!せっかくなので自分でやりたいという気持ちもよーーく分かるので、経験をつんでからチャンレンジするのが吉かと思います。
記事にしたかどうかは覚えてないのですが、僕のは1年ほど前に自分でオーバーホール、調整しました。後、自動巻きモジュールをつけたままだと手巻きが重いので、外して使ってます。
分時のスパイラルを12am/pmで跳ね上がりの同期調整すれば時間の進みで分針の(22回)跳ね上がりは自動的に定位置にと、、、時ピニオンのスパイラル(下)が1周するのに(12時位置でクレインが落ちる)のに分のスパイラルが12周する。
12-12跳ね上がり幅は12時(ダイヤルを付けた状態)両針が跳ねたところで上部12時に合わせて針を取り付ける。なんて感じで考えているのですが、、。
ETA2784をフランスから手に入れて勉強しようと思っていますがフライバックモジュールは、、、。
少しリサーチ、勉強します^_^
ポーランドに趣味、独学でやっておられる人がいましてサイトで全てじゃないのですがこの時計の分解インサイトを写真付きでアップしているのを読みましてコンタクトしようかと思ったりしています。
ご存知かもなんですが。
ありがとうございます!このサイトはもう数え切れないくらいお世話になっており、つい昨日も狙ってた時計の情報を手に入れるためにまた読み直しておりました。Futuramaのページももちろん入手前から舐めるように見ておりましたw
それから跳ね上がりの条件について、書かれていることを100%理解できたかは怪しいのですが、原理的に正しいと思います。時分針の跳ね上がりをカレンダー切り替わりに合わせて同期、針の位置はインデックスを見ながら調整する、という事ですよね。
僕も同じように合わせようとしてみたのですが、以下の2点、謎な所があるのです。
1.クレインの落ちるタイミングにバラツキがある → 進むスピードが1/12なのでくちばし部分のたわみ方も異なり、時分針では落ちるポイントが違うので微調整が必要…なのはまあ当然ですが、感覚として、同じ針の跳ね上がりタイミングに誤差があるように感じるのです。おそらくですがクレイン内部のバネ機構(おそらく分解不可)の油や汚れなど摩擦状態に影響されてると思うのですが…。当然ながらピニオンが一周するのは同一周期ですが、跳ね上がりは同一周期ではないように見えます。(検証に根気が必要なので確証は無いです)
2.跳ね上がり幅の調整方法が謎です。クレイン下端の歯が切られている部分と、その下に接続している跳ね上げ用の歯車、バネのセットに関係してると思っているのですが、たとえば、12-12ではなく、12-12(のちょい上)みたいな感じで、厳密にインデックス中心に合ってくれないです。適当に取り付けたら12にたりない狭い範囲で跳ね上がりしたこともありました。これ、気持ち悪いんですがこちらも検証と合わせに根気がいるのでチャレンジできてないです。
Crazywatchesの方にコンタクトをとるのはとてもよいと思います!僕からすれば神のような人です。ただ、こういった話はレトログラード機構ではよくある問題なんじゃないかなあと思うので、優秀な時計師ならカンタンに答えてくれそうな気もしますが、細かすぎてSNSで訊けません…笑。
ETA2784は僕もスペアを一つ買って備えています。高振動でとても高性能なので、往年のチュードルが採用していたというのにも納得です。ただ、おっしゃるとおりレトログラード機構は換えがないので、気をつけて使わないといけないですね。針のハカマ部分の摩耗も心配なので、僕はもう数年に一度のOH以外ではいじらないようにしよう…と思ってます。