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カテゴリ:雑記

iPhone蛾ぶっ壊れた

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感情的になるのもいけないので、事実を簡潔に記すもの。

DAY1

親しい友人と会食。解散前に記念写真を撮ろうとしたところ、2枚目以降を撮るときにプチフリーズ。

めげずに何枚かパシャパシャ撮って後で送ろうとしたところ、なぜか端末がフリーズ。

再起動して写真を見直したところ、最新の写真数枚が灰色一色の画像になっておりデータが読めず。

DAY2

昨日同様、写真を撮ろうとしたらフリーズする事が何度か。数枚に一枚同じように灰色の画像になってしまう。

DAY 3

車で遠出をしているとき、綺麗な景色を一枚とった。数分後、写真を見直そうとしたところ、なぜか全ての写真が消え去っていた。

え?!ってなってると、どんどん画像が復元されていく。五分ほどで全ての画像が復元された。

なんだったんだ?と思いつつ一時間後に再度携帯を開くと、同じように画像が全クリアされていた。

そして同じように五分ほどかけて全ての画像が元どおりになる。

ここで、ヤベーかも?と思い慌てて車を停めてノーパソにアイフォンを繋ぎ、写真データのバックアップを取る。

その後、アプリ切り替えなどの動作がカクカクになる。それでも一応きちんと使えてはいた。

DAY4

早朝から親しい先輩とモーニングをご一緒する予定であったのだが、アイフォンが落ちたまま立ち上がらない!

恐怖のりんごループといつやつである、何度立ち上げてもリンゴマークより先に進まない…!ホームボタンを押しながら電源ボタンを押して強制終了を試したがダメである。

昔ジェイルブレイクして遊んでいた頃にはよくあったが、今は真っ当に入獄中であるためあの頃のようにツールで復旧したりできない。やべー。顔が青くなる、

モーニングにはなんとか行けたが、帰ってから決死の復旧作業。

シムを抜いてみたりセーフモードでの起動を試みたりするも、全然ダメ。

すがる思いで、復旧モードにしてからiTunesにつなぐと、なんと更新というメニューが出る!更新はデータを残したままiOSのバージョンを上げる操作(“復旧”を選んでしまうとデータが全部無くなる)なので、祈りながら更新を実行。

20分ほど経って、無事に最新のiOSで立ち上がった。

…よかった…涙


しかし、メモ帳アプリは立ち上がらない、かつ内容は全部消えている、写真は撮れるけど保存できない、連絡先は全部消えている…など、とても不便な事象が発生している。

アルバムには、何故か昔のアイフォンで撮った画像は残されている…

ハードウェア的な問題かとも思ったのだが、システムファイルやシステムで使うデータベースのメタファイルがおかしいのだろうか?

全部初期化して復旧を試すと元に戻りそうな気もするのだが、試せないでいる。

不幸中の幸いは、速攻で写真のバックアップを取ったために最悪の事態である写真の全喪失は避けられた事。最新のバックアップは一ヶ月ほど前であったので、もしそこからの更新分を失うとしたら大変なことになる所であった…

今月撮った写真の中には中にはものすごく貴重な時計や、それらのリストショットが数多くあり、それらを救えただけでも本当に良かった。


皆様におかれましては、携帯のバックアップはこまめに取るようご留意いただきたい所存でございます。

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画像はカメラロールに残っていたもの。本文とは全然関係ありません。


あとすごいどうでも良いが、アイフォンと入力したら変換候補にiPhoneが出てこないってどーいう事?iTunesは出てくるのに…

袖口番長でヨイではないか – 戦略的審美性、あるいは

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時計をスーツに合わせるなり。
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Wittnauer Electro-Chron

前に電池交換したばかりの元気溌剌電磁テンプ時計。黒いストラップを付けているので、スーツにつけても違和感がない。

素晴らしい。

つーか今この写真を見てて思ったのだが、シャツの袖口と時計のストラップ、隙間が空いてるとやはりかっこ悪い。かといって、詰めすぎても窮屈である。
漱石の智に働けば角が立つ、情に棹させば流されるといったおもむきである。

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例えばこれなんかも少し隙間が空いている。が、これ以上詰めると時計が袖口に乗っかってしまい、チビッコ感が溢れ出てしまうのである。悩ましい。


これは以前電池交換したポールスミスのトノー型のファッションウォッチ。
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金属ブレスは袖から付かず離れずの距離を保ち、ケースもまたなめらかな曲線を描き袖口に寄り添うかのようである。

そうか。

トノー型の極意は、滑らかに袖口にフィットすることであったのか…

ポールスミスの電池交換という作業は、僕にこのような感覚、というか、一種のひらめきを植え付けたのであった。

思えば"ジャケット➕シャツ"に最強に映えると言われるカルティエ・タンクも、ピシッとした縦線とその端が優しく丸められているのが、シャツの袖口の直線と曲線のイメージとピタリと重なる。

下の画像の右側を見て欲しい。
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ファッションにも時計にも興味がないよ、という方でも、この組合せがいかに美しいかわかるのではなかろうか。
(左側は女性である。タンクの凄いところは、素肌に付けるだけでも雰囲気を放つところだ...)

この写真だけでは、この男性の身長も体型も、顔ももちろん声も性格も分からない。

でも、シャツにもジャケットにも、ある種あざとさをもって異様に映えて来るカルティエ・タンクにより、装着者の外見はおろか内面の印象さえもブーストしてくれる気がする。

さしずめこんなところだ。おしゃれ、清潔感、知的、紳士的、笑顔、善意、裕福、親しさ…。

左の女性の写真についても同じことだ。

適切な時計をうまく服に合わせる事で、これらの印象を他人に与えることができるというのなら、それを利用しない手は無いはずだ。

腕時計はそれ単体ではなく、かならず身につけて使うものである。故に、手首、そしてそこに隣接するシャツの袖口、ジャケットの袖口にとてつもない影響を与えるものでも、ある。


よし、


僕の持つ時計をシャツに、ひいてはその上のジャケットやセーターにどう合わせていくのが良いのか、もう少し真剣に考えてみよう。


時計道はまっこと奥が深いぜよ…


iPhoneで写真を消さずに使用容量だけを劇的に減らす方法

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…今日のエントリはまったく時計に関係ないように見えるタイトルであるが、その実深く時計に関係するエントリである。
なぜなら、携帯電話で腕時計の写真を撮ろうとしたとき、「容量がいっぱいです」などと言われて悔しい思いをしたことが二度や三度ではなく、僕がそうならきっとこれをお読みの諸氏もそうだろうと思って、時計に関係するエントリだと言ってみるものである。
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 この忌まわしいポップアップメッセージ…

あ、泥User丁寧に言うとAndroidをお使いの皆様は飛ばして読んで構いませんです。

さて、iPhone である。
素晴らしいUI、統合されたプラットフォーム、抜群の操作性能、なにより美しい見た目、とてもとても素晴らしいデバイスであることは間違いない。

が、どうしても不満な点、それは、「容量」!

せっかく美しい写真、美しい動画をとっても、あっという間に容量がいっぱいになってしまう。それでどうやってデータを空けるかといえば、これが信じられない。わざわざPCのiTunesを立ち上げ、接続し、アプリケーション上で操作を行うのである。

…まあこんな文句を言っても始まらないので、以下に、iPhoneをお使いの皆様で”写真を撮りすぎて容量がほとんど無い!どうしよう!!”という方向けに、空き容量を劇的に増加させる方法を説明しよう。


似たようなことをやるアプリはあるようだが、便利で大幅に削減できるものは有料・無料問わず見つからなかったので、おそらくAppleの推奨する方法ではないのだろう。不慣れな方は特に、必ずバックアップを取ってから実行されたい。


また、この方法は僕のオリジナルで、iPhone4の頃からやっているのだが、未だに他で同様の手法を解説しているページを見たことが無い。なので、結構良質な情報だと思う・・・のだが如何だろうか…



お気に入りのサングラス GW-3701 (and OMEGA Memomatic)

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10年近く前に最初に購入して以来、ずっと使い続けてきているサングラスがある。

こないだ二代目が壊れたので新しいのを買って、届いたのがこれ。
目出度く三代目と相成った。
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中身。
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SWANS
GW-3701

と言うモデルで大阪の老舗、山本光学株式会社謹製の由緒正しいメイドインジャパン製品である。

曲線的なフォルムが顔にフィットし、さらにレンズ自体も無駄なフレームがなく、まさに体の一部のように顔に吸い付く。

ゴルフの石川遼モデルと聞いたことがあるが、その通り、ゴルフに最適な一本!
レンズ下部がフレームレスなので、アドレスの際ボールを見るときに邪魔にならないし、スイングの際も自然に顔についてくる。
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広げてみたところ。

側に置いてるのは愛すべきOmega Memomatic!
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裏はこんな感じ。
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とても軽く、柔らかい…!

これはポラライズドレンズ、所謂偏光サングラスで、このレンズも本当に素晴らしくて、窓に映った反射や眩しい光などをことごとくカットしてくれる。

ゴルフや運転、陽射しのきつい日の外出にはほんとうに役に立つのです。あと多分釣りとかにも良いと思う。

普通にメモマチックを撮ったらこう、
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このサングラス越しに撮ったらこう。
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…あんまかわらん…笑。

しかし上側、一時のあたりに写り込んでる照明が和らいでいるのが分かるだろうか?実際かけて見ると、このようにきつい光が和らいでとても見やすい。

レンズの角度により遮る光の方向性が大きく変わるため、写真ではなかなかこのレンズの素晴らしさをお伝えできないのがもどかしいところである。


上記のアマゾンレビュー見ても、やはり絶賛の嵐…!オークリーより上とのコメントもあるが、これはまさにその通り!軽いし形がすごくフィットするので、汗をかいても全然ずれ落ちない。レイバンより、オークリーよりかけ心地の良い傑作と言えよう。


…とは書いたものの、もう廃盤だろうし市場から無くなって将来買えなくなっても困るので、皆様におかれましてはどうかSWANS現行品をお買い上げ下さいますようお願い致します。


スワンズ製品ページ(微妙に見にくい)

LAMYの万年筆を頂いた

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僕にとって初のラミーの万年筆。
色は爽やかな青であった。
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カートリッジ付きであるが、なんとコンバーターも一緒についてくるので、お気に入りのインクで遊ぶこともできるという優れもの。
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もうすぐ遠くへ行ってしまうNさんからのものであるが、僕はお返しに、というわけではないが時計の贈り物を用意していて、ラミーをもらった時に渡した。喜んでもらえたようで一安心…

Nさん、ありがとうございました!


試し書き。少しカリカリ感があるか?しかしシャープな感じで好印象である。ラミーはもっとどっちゃりした印象であったが、これならガンガン使えそうだ。
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(⬆︎文面に意味はなし、お気に入りのアルバムタイトル)




ゴルフと時計

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ゴルフ場で巻いていたのは、Wakmannのビンテージクロノ。
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この時計には耐震機構が付いていないため、衝撃はご法度である。なので、プレー中は当然外して、かつカートの振動が伝わらないように布に包んでカバンにしまっておく。

ゴルフボールは見やすいピンクがお気に入り。
蛍光黄色は、飛んでる時は良いのだが芝と土に紛れて少し見にくいことがある。もう2年くらいピンクを愛用している。
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手首に巻いている黒いのはリストサポーター。昔、ゴルフやりすぎて腱鞘炎気味になった時に巻いたら調子が良かったことから、いまでもなんとなく続いている。元は野球用…なのだろうか?
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午前七時前、既にハーフも終えかけ休憩中。ゴルフやるのは早朝に限るね!☀️

…あと、たまーに、ロレックス巻いたままプレーするおじさま、おにーさま、おねーさま方がいらっしゃいますが、時計にとっては拷問以外の何者でもないため、厳に慎むようお願い申し上げます。


如何にロレックスのタフな高品質キャリバーであっても、ゴルフのインパクトの瞬間の衝撃というのは凄まじいらしく、さらには移動時やスイング時の動作を考えてもあらゆる部品に多大な悪影響を与えてしまう。外装についても、クラブ持ち替えやカート乗降時にぶつける可能性もある。

ゴルフの時は素直にGショックが吉。もしくは、時計の重さが手の疲れに繋がりショットの精度が落ちるため、何も付けなくても良いのです。きっと。

塩水で走る車

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をつくってみた。

一緒に写ってるのは、なんとなくポップさが共通するSICURA GLOBETROTTER。最近NATOストラップをつけてるのだが、これがつけ心地がたまらんのである。
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なんとこれ、この車、菓子のおまけレベルのチャチさなのだが、後ろの部分に八割の水に二割の塩を溶かした塩水を入れると、この部分にセットされているアルミと木炭のプレートに電圧が生じて即席の電池になる。んで、接続されてるモーターが回転して車が走る。

結構速く走るのでびびる。しかも数滴で数十分走る…!
ミニ四駆世代であるところの父親世代に深く突き刺さるものがある。
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以上、Shell石油からの頂き物でしたとさ。

いつかジュネーブサロン(SIHH)行きたいよね

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毎年一月はジュネーブサロンが開催される。ので、多くの時計関係者はこの時期スイスに渡り各ブランドの新作発表を聞きにいく、と同時に実際に手にとって見たりするのである。

URWERK新作、UR-210
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SIHHは世界最大の時計見本市、バーゼルワールドから独立し20年ほど前から始まったイベントで、主にリシュモングループのメーカーが集う。

リシュモンはどのようなブランドを持つかといえば、

と、まさに最強の布陣である。

他にもスーパーカッコ良い時計を発売しているURWERKや雲上ブランドと言われる高級ブランドのオーデマピゲ、雲上どころか銀河系時計であるリシャールミル、今回初参戦のエルメス、さらにはロジェデュブイやユリスナルダン、パネライ…などなど、時計好きなら垂涎のブランドが勢揃いする。

一応19日はオープンデイとなるものの、基本は完全招待制で観光客がフラつと訪れることができる、というものではない。行ってる人たちが羨ましい限りである…

注目したのは

ジャガールクルトのメモボックス、ポラリスが復刻されていたこと。
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ただでさえ高騰していたポラリスだが、これでまた一層跳ね上がること間違いなし!そして偽物の流通も活発になる事であろう。

オリジナと同じムーブ、k.825を愛用する者として、嬉しくもあり、悲しくもある…


livedoorblogアプリが改悪してしまった

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とても悲しいことであるが、アイフォン用のlivedoorblogアプリが大幅に刷新され、案の定悪くなってしまった。

こういったソーシャルサービスが大幅にリニューアルするときというのは、大抵が悪くなるのが本当に不思議である。

これを乗り越えてきたのがグーグルであり、フェイスブックなのだが、逆に言うとあのレベルの化け物企業、化け物人材を揃えるチームでないと乗り越えられないほど大きな壁なのだなぁ。

このブログの更新頻度が比較的保てていたのはiphoneアプリが優秀であったことも一因であり、今後続けていけるのかやや心配である。

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画像は長閑な河口にて佇むの図 ※本文とは無関係です


最も愚かな改悪は、携帯から画像をアップロードするときにトリミングや加工などの編集が出来なくなったこと、だろう。次いで画像アップロードの際にカメラロールの画像しか貼れなくなったこと(これは流石にバグ扱いだと信じたい)、アクセス解析機能が退化したことなどが挙げられる。

まぁもともと、パソコンから更新する際は画像加工ができないのが疑問であったのだが、今度は携帯からも出来なくなってしまった。
時計ブログとして、これは大変致命的な事なので、修正を強く望むところだ。

もしなにかの特許に引っかかっており訴訟リスクを避けるために取り下げたと言うなら仕方ないが、んなこたないだろうなぁ…

と思いきや、更新履歴を見ると、
👇
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…とある。

見出し機能の実装が新機能とか…

僕は1997年にタイムスリップしてきたのだろうか?

☝︎見出しタグで書いてみたw


画像フィルタも廃止とあるが、やはりどことなく大人の事情を匂わせる書き方である。

トリミングや解像度変更がとても便利であったのに…残念。

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明けましておめでとうございます。今年もこれを読んでいる今そこのあなたと、その家族の皆様にとって幸多き一年になることを祈念しております。

…ブログタイトルに憧れであるデイトナ(※16520)の名を冠して細々と続けているのだが、この後も細々と続けていこうと思う。

さて年初にあたり、僕の愛するビンテージ時計というものについて、あるいはこのブログを書いている意味について考えたことを整理したので、アップしておこう。


ビンテージ時計とは?
決まった定義はないが、個人的には30年くらい経った時計はビンテージ時計として捉えて良いのではないかと思っている。僕がビンテージ時計を好きな理由は、まず機械式であること、デザインが洗練されていること、そしてそう高くないこと、が理由である。


ビンテージ時計を得る
新品で売っているビンテージ時計など存在しないため、ビンテージ時計を得るには必然的に店舗あるいは誰かに譲ってもらう、あるいは売ってもらうことになる。ご存知の通り世の中にはヤフオクをはじめとしてメルカリやebay、さらにはChrono24などの時計専用の売買サイトがいくつもあり、その中から欲しい時計を発掘し、手に入れることになる。今日日オンラインで買うのがもはや当たり前で、当然ながら画像や文章、メールでは判別できない点は山ほどあり、そういった当たり外れへの期待もビンテージ時計購入の一つの楽しみといえる。

しかし、時計を得る上で、自分はなんのためにどのような時計を得たのか、考えたことがある人はいるであろうか?

ビンテージ時計のアイデンティティ
昔の有名な思考実験に、テセウスの船の逸話がある。

テセウスアテネの若者と共に(クレタ島から)帰還した船には30本のがあり、アテネの人々はこれをファレロンのデメトリウスの時代にも保存していた。このため、朽ちた木材は徐々に新たな木材に置き換えられていき、論理的な問題から哲学者らにとって恰好の議論の的となった。すなわち、ある者はその船はもはや同じものとは言えないとし、別の者はまだ同じものだと主張したのである。

つまり、ある船の一部分が朽ちて新たな木材と交換された時、それは元の船と同一と言えるのか、あるいは、オリジナルの船に実際に使われていた朽ちた木材を集めて同じような船を作った時に、それはオリジナルの船と言えるのだろうか、という問いかけである。

翻って、ビンテージ時計ではこの認識に共通の考え方がなく、全てコレクター個人の信じるところに拠っている

ある人は全てが元のオリジナルでないと納得しないし、ある人は部品が交換されていても、それが正規のメーカーによるものであれば構わないという人もいる。もっと緩いと、交換されたパーツが新たに別作されたものでも構わないという人もいるし、さらには文字盤自体が一度消され、第三者によって新たにプリントされ直したものでも構わないという人もいる。

時計の場合、絵画や宝石と違い中に機械が入っていてそれが実用できるものであるため、より一層話がややこしくなる。

繰り返すが、ビンテージ時計のアイデンティティをどこに置くかというのは、個人の考えによるもので、衆目の一致する共通見解というのは存在し得ない。

考え方のヒント
しかしこの問題については、考え方の一つとして、哲学者アリストテレスが四原因説という形で説明をしているものが参考になる。以下、ウィキペディアからコピペする。

ーアリストテレスの言う4種の原因とは即ち、
質料因、形相因、作用因(「始動因」や「起動因」とも)、目的因
の4つである。


時計で例えるならば質量因はステンレスや金、プラチナなどの材料、形相因は人が想像するその時計の本質であり、ロレックスで例えるならば王冠マークのついたピカピカした時計、というようなものである。

作用因は時計が存在することになった動作、すなわち時計の製造や修復のことを指し、最後の目的因とは時計の目的、たとえば正確な時間を刻むこと、あるいは資産的価値を生み出すこと、などが該当する。

中国で買うような明らかな偽物のロレックスの場合、形相因のみ満たせばそれで良いと考える者が買うのだろう。闇サイトなどで売られる、本物に限りなく近い偽物、いわゆるスーパーコピーなどの類は、作用因には拘らないが他の原因を求める者が買う。

逆の見方をすれば、四つの原因のそれぞれの完璧度をどの程度で捉えるかにもより、たとえば作用因に完璧性を求める人であれば、例えメーカー純正の部品によって壊れて部品が修理されたとしても認められないだろうし、質量因に完璧性を求め他に対してはそうでもないという場合、時計の部品が金や良質のステンレススチールでできてさえいれば、後付けの部品交換、修理には気を払わないであろう。

…少し長くなったが、ビンテージ時計の価値を何に置いているか、どこにアイデンティティを見出しているのかというのを自覚するのは大切なことで、お金の使い方や情報収集にかける時間など、限られた資源を時計という趣味に投入するにあたり、知っておいて損ではない事のように思われる。

そう思わせるに足る事例を以下にご紹介する。


時計愛好家による7千万円の大型訴訟
ニューヨークで、さるセレブ歌手のお抱え時計バイヤーが、"偽物のロレックスを売りつけた"として顧客である歌手により訴えられた事件があった。かなりの大型訴訟で、なんと650,000USDという規模であった。歌手は時計のコレクターとして有名で、特にビンテージロレックスの熱心なファンであったという。

ビンテージ時計好きなら、このニュースの背景をなんとなく理解できるだろう。
おそらくはこのバイヤーが仕入れ、売った時計の中に、一部のパーツが取り替えられていたり、あるいは新たに作り直されていたりしたものがあり、そのような時計をロレックスのオフィシャルメンテナンスに出した時、本物ではないという認定を受けたもの…という感じではなかろうか。

この事件は、とりもなおさずテセウスの船のパラドックスをなぞる好事例である。

バイヤーのロバート・マーロンはその筋では有名人であり、このニュースが出た当時から擁護的な記事が多かった。重要な顧客の1人であるこの歌手に悪意を持って時計を販売したとは考えにくい。歌手のジョン・メイヤーは時計に情熱的であったろうし、バイヤーのロバートはビジネスマンであった。
その点に、お互いに時計のアイデンティティに関する哲学の相違があったのであろう。

あなたはこの件について、顧客のメイヤーか、バイヤーのロバートか、どちら側により感情移入できるだろうか?

僕は、訴えられたバイヤーのロバートに同情を覚えた。
何故なら、古い高価なビンテージ時計については、百パーセントオリジナルの純正部品で出来ていることなど到底証明が不可能だからである。また、そのようなことは奇跡が起こるレベルでありえないからである。万一ありえたとしても、それを証明するのは悪魔の証明に近い。

…ましてやビンテージロレックスである。
想像に難く無いことではあるが、ビンテージロレックスの貴重モデルは本物より多くの偽物が出回っていると言われるほど、とても洗練された贋作ネットワークが構築されている、らしい。さらには、ロレックスは文字盤やベゼル、ケース、ブレスレットなど、どのような仕様のものがどれほど製造され、売られたかを公開する事は無いため、たとえ一部分であっても本物か、当時のものかなどの鑑定すら容易では無い。

しかし別の人は、あるいはあなたは、顧客の歌手、ジョン・メイヤーに、より同情するのかもしれない。時計のプロであるバイヤーが、高価なビンテージ時計の真贋を、たとえ時計の一部分に関しても怠るというのは許せないのかもしれない。高価な買い物である時計に、一部でも、極端に言えばネジ一本でも新たに作成されたパーツが使用されていたら、それをロレックスの秘匿された情報と照らし合わせて調べ上げ、顧客に全て通知する義務があると考えるのかもしれない。

これは考え方の違いであり、どちらが正しいというものではない。

…さてしかし、この訴訟について耳にした人は多いだろうが、果たしてどれだけの人が結末を知っているだろうか?


結末については、このような記事を見つけた。これ以外の内容の結末を書いた記事を見つけられず、似たような内容の記事はいくつか発見されたためおそらくは本当だと思われる。不思議と日本語の記事は見当たらず英語記事しかなかったのだが、どうかリンク先に飛んで自分の目で確認してみてほしい。事実は小説より奇なり、である。

まあ簡単に言うと、ジョン・メイヤーは、自らの訴えが誤っていたと認め、ロバート・マーロンは真にプロフェッショナルな時計のディーラーであり、一切の金銭のやり取り無く和解した。
なんと、これは原告と被告の共同声明である。

多くの時計ファンにとって好ましい結末であろう。


時計への愛
このブログは、時計を愛する男により書かれている。そして、多くの読者もそうであると信じる。

しかし、この世に全く同じ思考、全く同じ価値観の人間など存在しないように、時計に対する価値観や考え方は、僕と読者、あるいは読者と読者で様々であろう。
そこに相違はあって当たり前だし、それを憎しみや悲しみなどのマイナスの感情に転嫁させる事などあってはならない。もしそうなりそうならすぐにブラウザを閉じ、『いつかデイトナ欲しいよね』を二度と開くべきではない。これは僕のブログ以外に対しても同じだし、なんなら僕自身も似たようなことをすることがある。

ではなぜ、互いに相違がありつつも時計について記事を書き、読んでもらいたいと思うのか。僕は、

時計への愛は、"人類が時間という概念を自覚すること"への驚きと、それを道具という形で具現化させた"人類の叡智への畏敬"が根底にあるものと信じている。時計は、人間の生み出した、神にその発明を誇れるものの一つであるとさえ考えている。

読者の皆様と、ブログを通じてこの心が少しでも通じ合えるとすれば幸いである。

今年も何卒宜しくお願い申し上げます。

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