モルニヤの懐中時計オーバーホール その1
友人から、「昔、父がソビエトに駐在していた頃に買ったという懐中時計を持っているのだが、だいぶ長い間動かなくなっている。もう一度動かすことは可能か?」という相談があったので、懐中時計は見たことが無かったけどまあ腕時計と同じだろう、と思い一度見せていただく事になった。
そしたら預けられたのが茶色い箱で、中を開けるとこのように時計と保証書?が入っていた。

この保証書の右上にあるマークは、ロシアの品質保証マークというらしい。
(TwitterでFHFさんというその道のプロに教えてもらった)

Twitterをやっていると、このように普段ならお目にかかる事のできない専門家が気軽にリプライで有料級の情報を教えてくれるので非常に貴重なツールである。と同時に、本来ならばWEBフォーラムやブログで行われていたであろうこのようなやり取りが、Twitterの大きな流れに埋もれ流されていくことによって後世の愛好家が見つけにくくなるのではという懸念もある。

鎖付きである。実は初めて手に取る本格懐中時計である。その重みと迫力、密度に電撃に打たれたようであった。感動した。と同時に、この沼は決して踏み入ってはならぬ!という天の声を聞いたのでその衝撃をなかった事にしたw

ソビエト連邦時代のものを手に取ったのは生まれて初めてかも!?書類がこんなにきれいに残ってるとか、ゾクゾクするね!
というわけで早速OH。実はバラす前に裏蓋を開け、テンプをなんどかつつくと緩く動き出したので何度も往復させてると、文字板下の位置の時はちゃんと動くようになったのである。古い時計あるあるで時計油の固着による停止で、故障などではないのが分かり安心した。また、こうした個体は無理して動かされていないので状態が良い事が多い。なので、期待をもってOHできるのが嬉しいのであった。

風防を外す。針はおそらく青焼きであったものが酸化したのか、真っ黒になっている。もう一度青焼きに戻してもよかったのだが、まあ黒いままでも味があるかなと思いこのままにする事にする。つーか青焼きなんでできません。
文字板にまだらのシミがある。おそらく、昔整備したときに時計油が流れて文字板を汚してしまったのであろう。ロディコで一生懸命こすってみたが、もはや修正できないのでこれもそのままにしておく。ビンテージ時計をいじるときは『文字板不可触の原則』を徹底すべし。

Amazonで買った安物を自分で加工した剣抜きで針を外す。小さなスモセコの下にもすっと潜り込むすぐれもの。

側面の二つのねじを外して文字板を持ちあげる。加工精度が高いのか、非常にスムーズに文字板が外れた。こういう地味かつ細かい所で、その時計の品質が分かったりするのです。
切替機構抑えに、ドットのような加工がなされている。初めて見たなあ、、どういう意図があるのだろう?

裏返して、まずはテンプを取り外す。なんと巻き上げヒゲである(懐中時計では普通なのか!?)。緊張。

テンプの下には謎の刻印。時計のアイコンのようである。アンクルも取り外す。アンクルは見覚えのあるY字?型のものであったが、ホゾが固着してなかなか取れなかった。

輪列受けを取り外す。一つ一つの歯車の作りがしっかりしている。腕時計のものより大きいのでそう見えるのであろうが、安心感をもって取り扱いできるのが非常に良い。

角穴、丸穴車を取り外す。非常にスムーズに取り外し可能。

香箱受けを取り外す。香箱は見た目はいたって普通。。。

香箱と鼓車、キチ車を取り外し、表側完了。

裏側の切替機構もばらしていく。

スプリングは短くてシンプルなもの一つのみ。いたって基本的な構造である。ただし、部品がでかいのでものすごく頑強に見える。(てか実際頑強だと思う)

ばらした部品を並べていく。こういうのやりたかったw

さて、テンプである。そっと添付受けから外す。外すときは万一の事故を防ぐため、このように設置したまま行うのがよい。ほんの少し指で力を入れてヒゲを曲げただけで終わるのが時計の世界。。

テンプ受けの裏側、この時代(1987年)は正直耐震装置があってもいい時代だと思うのだが、まだそう一般的ではなかったのであろう。このように原始的、あるいは牧歌的な構造になっている。これがまた、いいのである。ルビーの左右の小さな(といっても懐中時計なので大きく感じる)ねじを外してさらに分解する。二つつきでている突起は、ひげを通す場所である。

分解した図。このパーツの隙間の時計油が汚れ、固まっているので洗浄しがいがあります。

ひげ洗浄のためいったん再装着する。


メインスプリングを摘出する、香箱の中は大変綺麗である。グリースや油が全くなく、完全に乾ききっている。よく切れずにこれまで39年間、がんばってきてくれた。あとでたっぷりグリースを塗ってあげよう…

穴石周りは、重点的にベンジンと削った木の棒でごしごしこすって油を落とす。その後、キッチンペーパーにかけ感想させる。

地板もベンジンに着け、ブラシや削った棒でごしごしこすって汚れを落としていく。
その2へつづく
そしたら預けられたのが茶色い箱で、中を開けるとこのように時計と保証書?が入っていた。

この保証書の右上にあるマークは、ロシアの品質保証マークというらしい。
(TwitterでFHFさんというその道のプロに教えてもらった)

Twitterをやっていると、このように普段ならお目にかかる事のできない専門家が気軽にリプライで有料級の情報を教えてくれるので非常に貴重なツールである。と同時に、本来ならばWEBフォーラムやブログで行われていたであろうこのようなやり取りが、Twitterの大きな流れに埋もれ流されていくことによって後世の愛好家が見つけにくくなるのではという懸念もある。

鎖付きである。実は初めて手に取る本格懐中時計である。その重みと迫力、密度に電撃に打たれたようであった。感動した。と同時に、この沼は決して踏み入ってはならぬ!という天の声を聞いたのでその衝撃をなかった事にしたw

ソビエト連邦時代のものを手に取ったのは生まれて初めてかも!?書類がこんなにきれいに残ってるとか、ゾクゾクするね!
というわけで早速OH。実はバラす前に裏蓋を開け、テンプをなんどかつつくと緩く動き出したので何度も往復させてると、文字板下の位置の時はちゃんと動くようになったのである。古い時計あるあるで時計油の固着による停止で、故障などではないのが分かり安心した。また、こうした個体は無理して動かされていないので状態が良い事が多い。なので、期待をもってOHできるのが嬉しいのであった。

風防を外す。針はおそらく青焼きであったものが酸化したのか、真っ黒になっている。もう一度青焼きに戻してもよかったのだが、まあ黒いままでも味があるかなと思いこのままにする事にする。つーか青焼きなんでできません。
文字板にまだらのシミがある。おそらく、昔整備したときに時計油が流れて文字板を汚してしまったのであろう。ロディコで一生懸命こすってみたが、もはや修正できないのでこれもそのままにしておく。ビンテージ時計をいじるときは『文字板不可触の原則』を徹底すべし。

Amazonで買った安物を自分で加工した剣抜きで針を外す。小さなスモセコの下にもすっと潜り込むすぐれもの。

側面の二つのねじを外して文字板を持ちあげる。加工精度が高いのか、非常にスムーズに文字板が外れた。こういう地味かつ細かい所で、その時計の品質が分かったりするのです。
切替機構抑えに、ドットのような加工がなされている。初めて見たなあ、、どういう意図があるのだろう?

裏返して、まずはテンプを取り外す。なんと巻き上げヒゲである(懐中時計では普通なのか!?)。緊張。

テンプの下には謎の刻印。時計のアイコンのようである。アンクルも取り外す。アンクルは見覚えのあるY字?型のものであったが、ホゾが固着してなかなか取れなかった。

輪列受けを取り外す。一つ一つの歯車の作りがしっかりしている。腕時計のものより大きいのでそう見えるのであろうが、安心感をもって取り扱いできるのが非常に良い。

角穴、丸穴車を取り外す。非常にスムーズに取り外し可能。

香箱受けを取り外す。香箱は見た目はいたって普通。。。

香箱と鼓車、キチ車を取り外し、表側完了。

裏側の切替機構もばらしていく。

スプリングは短くてシンプルなもの一つのみ。いたって基本的な構造である。ただし、部品がでかいのでものすごく頑強に見える。(てか実際頑強だと思う)

ばらした部品を並べていく。こういうのやりたかったw

さて、テンプである。そっと添付受けから外す。外すときは万一の事故を防ぐため、このように設置したまま行うのがよい。ほんの少し指で力を入れてヒゲを曲げただけで終わるのが時計の世界。。

テンプ受けの裏側、この時代(1987年)は正直耐震装置があってもいい時代だと思うのだが、まだそう一般的ではなかったのであろう。このように原始的、あるいは牧歌的な構造になっている。これがまた、いいのである。ルビーの左右の小さな(といっても懐中時計なので大きく感じる)ねじを外してさらに分解する。二つつきでている突起は、ひげを通す場所である。

分解した図。このパーツの隙間の時計油が汚れ、固まっているので洗浄しがいがあります。

ひげ洗浄のためいったん再装着する。


メインスプリングを摘出する、香箱の中は大変綺麗である。グリースや油が全くなく、完全に乾ききっている。よく切れずにこれまで39年間、がんばってきてくれた。あとでたっぷりグリースを塗ってあげよう…

穴石周りは、重点的にベンジンと削った木の棒でごしごしこすって油を落とす。その後、キッチンペーパーにかけ感想させる。

地板もベンジンに着け、ブラシや削った棒でごしごしこすって汚れを落としていく。
その2へつづく

















































































