Rolex Airking 不動品修理 その6

カテゴリ:
さて、ケーシング済みのこの個体…

IMG_9714

動作確認という名の借用。2日くらい付けてみて止まったりしないか見る。
IMG_9719

本来の輝きを取り戻したオイスターケース。とても美しい…!
IMG_9748

高級腕時計ブランドの代名詞でもあるロレックス。そうなるにはそれなりの理由がある。見よ、この輝き…!
IMG_9809

そして持ち主のK氏にお渡し。喜んでいただけて何より。お渡しした記念に2人でリストショットを撮らせていただいた。
IMG_0068

彼は間も無く”ひたすら横に広いくせに時差がない”という異国の地に赴くのだが、いくつになっても新しい挑戦ができるというのはとても素晴らしいことだと思う。

最初のボーナスで買ったという思い出のこの時計と共に、目一杯楽しんできてください、Kさん!



Rolex Airking 不動品修理 その5

カテゴリ:
さて、部品が届いたのでムーブメントを直す。
IMG_9677

ムーブ。
IMG_9678

針を外し、文字盤を外す。ペラルージュ文様が美しい!カレンダー無しはこれはこれで新鮮…
IMG_9679

裏返したところ。しかし、時計の機械という観点ではこちら側を表という不思議。

IMG_9705


自動巻機構を取り外す。
ネジ二つで難なく外れる。
IMG_9680

美しいムーブだ…
IMG_9683

角穴車を取り外す。香箱の上にある歯車。
IMG_9684


美しいムーブだ…(again
IMG_9685
IMG_9686

輪列抑えを取り外す。
IMG_9687

セオリー通りだと初めにテンプを取り外すのだが、トルクが完全になくなっている為、もはや置物同様。
構わず輪列からバラしていく。
IMG_9688

二番車、四番車を抜けば香箱も外れる。
IMG_9689

こちらが香箱の中身。案の定、メインスプリングが切れてしまっている。
IMG_9690


そこで取り出だしたるは…純正の3130用香箱。
IMG_9691

中身を開けて比較。こんなに違う!!
白く輝く新品のメインスプリングを見よ…!ここにさらにAO-3とグリースを注油。
IMG_9693

地板は、ベンジンを含ませた綿棒とロディコで入念にお掃除。
IMG_9694

抑えの裏側も入念に…

IMG_9696


先に仮組みしようと思ったのだが、テンプもガンギ車も外してクリーニング。
IMG_9697

注油の後、新しい香箱を入れ、組んでいく。
IMG_9699

テンプにも忘れずに注油。
IMG_9703

耐震機構を開けると、このようになる。この針金がめっちゃ細いので、いつもめちゃめちゃ緊張する…

IMG_9704

さすがロレックス、テンプ上下、かつガンギ車のホゾにも耐震装置が付いている!!

良い時計には値段に見合う理由があるのである。

あ、時計は元気に動き出しました。


分解してクリーニング、注油した自動巻機構を取り付ける。アルマイト加工された紫色の切り替え車が、いつ見ても美しい…
IMG_9706


この風格漂うムーブ、ただ事ではない…
IMG_9708

針を取り付ける。

IMG_9709

ケーシング前にパシャリ。
IMG_9710


うーん…
カッコ良い…😭😭

IMG_9711

裏蓋。
IMG_9712

裏蓋に貼られたステッカーはそのままで。
IMG_9713 

出来上がり。美しい…!!
IMG_9714


つづーく。

Rolex Airking 不動品修理 その4

カテゴリ:
さて、磨き終えたので部品が届くまで、仮のケーシング。

IMG_6543

こんな感じ。少し合わせてみるが、やはり磨く前とは佇まいが違う…!!
IMG_6544


良さげなので、超音波洗浄機にかけ、ベゼルの圧入に入る。ベゼル圧入には、以下のような裏蓋締め機を使い、ベゼルの幅にあったコマを装着して圧入する。
IMG_6545

ある程度手で仮入れして、
IMG_6548

傷が入らないようにこのようにビニール袋を挟んで、慎重にコマを合わせて…
IMG_6552

ググッとな。
IMG_6553

まだ壊れたままのムーブメントを入れてみる。
IMG_6791

おお!!!

何だこの輝き、このオーラ…
IMG_6793

さすがのオイスターケース、入門機でありながらこの重厚感、グラード感はロレックス以外のどこに出せないであろう。


つづーく。


Rolex Airking 不動品修理 その3

カテゴリ:
引き続いて…

ベゼルを抉って外す。同時に風防も外れる。
IMG_6456

外したら、側面と同じく耐水ペーパーの番手をあげながら、真心込めて磨いていく。

マイクロリューターで研磨剤をつけてグリグリ磨く、熱を帯びて熱くなるが我慢して持ちながら磨く。
IMG_6457

熱っ!
IMG_6459

こんな感じで、だんだん綺麗になる…
IMG_6462

ひたすら磨く…
IMG_6463

もちろん仕上げは手で。
ティッシュにサンエーパールを付けキュキュッとな。
IMG_6465

…今日はこの辺にしといたろう。
IMG_6466


だいぶ綺麗になった!

書いてないけど、ケースのラグの部分とかも既にヘアライン加工用スポンジで、番手をあげながら研磨している。
IMG_6467

ベゼルと並べたところ。側面と同様に、深みのある輝きを取り戻している!
IMG_6468

下の写真は研磨後。謎の達成感に包まれるのであった。
右に見えるタワシの様なものがヘアライン用スポンジで、三色あって荒さが違う。ブレスレットもこれでひたすら磨く。…そろそろ買い足そう。
IMG_6472


つづーく。

Rolex Airking 不動品修理 その2

カテゴリ:
引き続きロレックスエアキングのメンテ、修理。

弓環にも汚れびっしり!
IMG_6421

水洗いしてキレイキレイでもみ洗いをした後、超音波洗浄にぶち込む。汚れがひどいので二周回す。
IMG_6433


汚れが取れ、ややスッキリ!
IMG_6434

ラグ側側面に、サビの様にこびりついていた汚れも綺麗さっぱり。ただ、打ち傷がものすごい。
IMG_6438

こちらも綺麗さっぱり。傷がすごい。
IMG_6436

側面から。
IMG_6439

リューズのある反対側。
IMG_6441

この通り、傷で何も映らない。よーく使い込まれていてカッコ良い!
IMG_6440

さて、まずはやりやすいところから研磨に入る。粗めの耐水ペーパーでゴシゴシこすり、大きめの傷を馴らしてゆく。

だんだんと番手を上げていき、2000番になったところでサンエーパールで磨く。
IMG_6442

心を込めて磨く…
IMG_6443

心を込めて…
IMG_6444

上半分が未研磨、下半分が研磨済み。
IMG_6445

写真がしょぼくてわかりにくい…
IMG_6446
IMG_6448

次は竜頭側。上半分が磨いてて、下半分はまだ。
IMG_6450


右側が磨いてて、左側はまだ。分かるだろうか?

心を込めて磨くと、如此く輝きを取り戻すのである。ロレックスのステンレススチールはほんと材質が良くて、偽物ではどうしても出せない渋みというか深みを持つ。
IMG_6453

オイスターケースは、側面を磨くとある程度研磨欲が満たされるのは僕だけだろうか?


つづーく。



Rolex Airking 不動品修理 その1

カテゴリ:
とある先輩から、新卒の頃に最初のボーナスで買ったという時計を預かった。不動品として長らくカバンに眠っていたそうだ。

とある事から僕が時計いじりが趣味である事を知り、声をかけてくださったのであった。

お世話になった大好きな先輩なので気合が入る。しかももうじき遠い異国に旅立ってしまわれるため、尚更である。

Rolex Air King 14000

IMG_6372
個人的には、壊れた時計をカバンに入れて持ち歩くというそのエピソードに痺れた。もはや時間を見るためだけのツールではなく、相棒としての時計の存在感を思い知らされる。こういうストーリー、大好物です!とお伝えしたら笑っていた。

ボーイズサイズのデイト無しのモデル。きらきら光る青文字盤が初々しくてとても良い。

オーバーホールなどはしたことがないそうで、それでも長年動き続けたのはさすがロレックスという他ない。

ご本人はバリバリのエリートビジネスマンで、共に相当活躍してきたのであろう、この時計にも多くの打ち傷、擦り傷が見られた。
IMG_6371

なんと裏蓋には新品についてるステッカーが…!!!まだ貼られたままだ!!
IMG_6370
最近は販売の際に剥がしてから売るようにしてるそうなので、レアである。

ロレックスに限らず言えることだが、通常この裏蓋の保護シールは、シールと金属の間に汚れが溜まりそこから錆などが発生する事があるので、付けたままにしておく事はあまり推奨されていない。

現にこの時計も、シールの中にぐるっとサビのような色が見られる。が、さすがに勝手に剥がす訳にはいかないので、あとで本人に説明差し上げよう…

開ける時は専用オープナーで。買っててよかったロレックスオープナー。かさばるけど。
IMG_6383

こんなふうに取っ手をつけて使える。
IMG_6386

品質の良い時計は、十年経ってようが十五年経ってようが、一瞬で開けられる。

ロレックスのスクリューバックはほんとに質感が高くて大好き。
IMG_6388

ムーブメントは3130。ついこないだやったわーと思ってたら、あっちは3135であった。

両持ちブリッジが雄々しい。
IMG_6389
取り敢えずブレスを外してみる。

予想通りではあるが、垢が蓄積され砂のようになっていた。たしかに二十年近く溜まってきた感じであるが、ビンテージ時計に慣れてる身としてはそんなに汚い方ではない。
IMG_6417

動かすだけでポロポロ落ちてくる。洗いでがありそうで良いw
IMG_6418

逆側も。
時計側にもブレス側にもびっしり詰まった積年の汚れ。全て流そう。
IMG_6419


つづーく。

ビンテージメカデジクロノを野球場に連れてって

カテゴリ:
みた。

IMG_8369

が、沢村賞を取った事もある先発の柱が3回6失点と絶不調。寒さに弱いとの評価を見事に証明してくれた。
IMG_8411

ので、早々に散策&グルメ&お買い物モードに移行。
IMG_8421

人はたくさん入ってたが、7回時点で結構帰っていた。
IMG_8434

しかし一通りの応援はするのでした。
IMG_8425

時計は唯一無二のデザイン、エルジンのメカデジクロノ。

このモデルは色んなメーカーの名前で出ているが、ムーブメントのオリジナルはケレックというメーカー。
IMG_8132

せめて、美しい桜に癒されよう…🌸

30円程度のストラップをSEIKO Bell-Maticに取り付けてみる

カテゴリ:
セイコーベルマチック。
IMG_9467


前回、10本330円で買ったバンドを取り付けてみる。選んだのは型押しの青のバンド。これ、結構かっこよい…
IMG_9469

はい
IMG_9470

前回は新品のまま取り付けて、腕に巻く時に急に折り曲げたのでバンド自体が折れ中身の芯材が露呈してしまうという悲劇に見舞われたため、今回はゆっくりとバンドを折り曲げて、形に慣らしてから取り付ける。
IMG_9471


はい
IMG_9472
尾錠も必要十分な品質。これで十分。


なんか…バエるぞ…これ…
IMG_9473


ええやん!!


精悍なダイアルにとてもマッチしていて、ただでさえクールなベルマチックが余計にクールに、かっこ良く見える。
IMG_9474

下から見たとこ。
IMG_9477

少し傾けてみたところ。
IMG_9483

ふと腕をかざした時に見える青いバンドが、とても爽やか。時計を見るたびに気分がリフレッシュされる様だ。
IMG_9482

少し明るいところでのリストショット。めっちゃよい…!!
IMG_9487


以上、あたりストラップのお話でしたとさ。

サクラサク Sicura Globetrotter 

カテゴリ:
美しい桜と、美しい時計。

Sicura Globetrotter

IMG_7990
IMG_8001

世界の旅行者、と名付けられたこの時計、その名の通り複数都市の時間が読み取れる優れもの。

IMG_7963

ベゼルは新品(NOS品)のものを新しく取り付けている。

ビビッドな色合いがとてもカッコ良い。こんなカッコ良い時計、現代になかなか無い。これをデザインした人は今、どこで何をしているのだろうか…。生きてるといいなぁ。
IMG_7966
春よのう…


つーかなぜ携帯から書いたらこんなに画質が悪いんだ、ライブドアブログ…!何とかしてください。😖🤢🤢

独立時計師 コンスタンティン・チャイキン氏、新作発表!『マース・コンクィーラー(火星開拓者)』カッコ良すぎ

カテゴリ:
タイトルにほぼ全て詰め込んだのだが。。。なんと、かねてよりあこがれの時計の一つであるジョーカー・ウォッチの制作者、独立時計師のコンスタンティン・チャイキン氏が、新作時計を発表した。

Mars Conqueror MkI(Prototype)
mc1

うはーーーカッコ良い!!めちゃめちゃ良い。

ちなみに、リリース文書は以下の通り。翻訳(てきとう)もつけとこう。

Poyekhali!—Let's go! Exactly 58 years ago, on April 12, 1961 the first man on the planet Earth, Yuri Gagarin, flew into space.By this beautiful date we decided to show our prototype of the Mars Conqueror MkI watch. The watch is designed for simultaneous indication of local time and standard or UTC time on Earth, of average solar time on Mars, and of additional space and astronomical functions.The center dial is for the indication of Earth time, the dial on the left shows the Martian time and the dial on the right shows the Martian date and planets astronomical position.

Poyekhali! - 行こう!(注:ユーリ・ガガーリンが初の宇宙飛行へ飛び立つロケット発射の瞬間に発した言葉) ちょうど58年前の1961年4月12日、地球上で初めて、ユーリ・ガガーリンが宇宙に飛びたった人間となりました。この記念すべき日に、私達はプロトタイプの『マース・コンクウィーラー マーク1』を皆様にお披露目する事にしました。
この時計は、ローカルタイムと標準時あるいはUTC時、そして火星の平均太陽時間、それに加えて宇宙・天文に関する機能を同時に示すようデザインされています。
中央のダイアルは地球時間、左側のダイアルは火星時間を示し、右側のダイアルは火星の日付、そして天文学的な位置を示しています。

まじでー。火星時間と火星の位置ときたか…!ここまで実用性から離れた機構もかなり珍しいのではなかろうか??しかしそれがまた、ロマンがあって最高にカッコよいのだが。。。

改めて時計を見てみる。
mc1
真ん中が地球時間。なるほど、GMT針も見える。左側が火星時間で、ここは夜光がオレンジなのとかがたまらない!!そして一見24時間計になっている。火星の時間は、地球時間でいうところの24時間40分なので、画像では合ってるように見えるがかなり進み方はずれてくるであろう。めっちゃ見てみたい。

問題は右側のダイアル、これがすごい。まず、火星日付。火星の一年は687日なので、おそらく長針は火星のジュリアンデイト(その年の元日からの経過日)を指しているのであろう。

短針がかなり謎で、針の先に地球のようなものが見える。。。ただ、インデックスが曲者で、JやF、M、A、果てはDなどが確認できる。これが天文学的な火星のポジションを示しているとのことだが、よく分からない。。。Jはジュピター、Mはマーキュリーなのか、火星のマーズなのか??うーむ。。。

裏ブタを取り付けているところ。ローターのようなものが見えるのでなんと自動巻きの様だ。w めちゃめちゃカッコよい。

左下のほうにはなにやらインジケーター?のようなものが見えるが、これは表示機能であろうか、それとも調整機能であろうか?見た感じ調整機能っぽいなあ。
mc2


真剣なまなざしでデザインスケッチを行うチャイキン氏。
mc3


CGにてムーブメントの確認作業であろうか。かっこよすぎ!!
mc4


氏の素晴らしいところは、その独創的な発想力のみならず、それを実際に形にする計画力、そして実行力、もちろん技術力、それからマーケティング能力。そのいずれもがずば抜けていて、まさに時計界の怪人と呼ぶにふさわしい。

一方、商業的な成功をあまり視野に入れていないような印象があり、それは時計のプライシングやSNSへの投稿からなんとなく見て取れる。これはおそらく、氏は職人肌・そして発明家肌であり、時計ビジネスを大きく太く成功させる、というよりかは、自身の発明、そして作品がより多くの人の心を動かし、感心させられる方が氏にとって大いに価値のある事なのであろう。そういうところがいちいちカッコ良い…。

以上、ロシアの誇る天才時計師の新作のお話でした。





このページのトップヘ

見出し画像
×