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古本屋で入手した昔の時計雑誌を読んでみた。

昔の時計って、ほんま安かったんやなぁ…



エクII。このモデルは現行品と違って、短針がベンツ針でなくストレートなタイプである。僕はめちゃめちゃこのデザインが好きで、ほんとに、いつかこの腕にはめて見たいと思う一本なのだが、みんな思うことは同じのようだ。

オークションやらみても凄まじく人気があり、凄まじく高価である。一本300万を超える個体も珍しくなく、完全に高嶺の花である。


それがなんと…




お値段28万円から


パチモノ級の安さと言える。



他にも、僕の大好きなメモボックス、アメリカモデルのルクルトロゴである。

メモボックスとしか書かれてないが、このブラックダイアル、三つのリューズは超スーパーレアモデル『ポラリス』だ。

ただ、見慣れないダイアルなので少し調べてみると、どうやらプロトタイプが、作成された直後に500個のみ販売された、いわばプレポラリス…らしい。


言うまでもなく、事案レベルのレア度である。お値段はつけようがないが、あえてつけるとすれば150万は堅いのではなかろーか。


それが、




20切り。こんなのはもはやポラリスのリューズ三つ分のお値段である。


四半世紀とはいえ、そんなに物価って変わってないのではないか?三十年前のビッグマックも四百円程度である。


と言うことは、やはり時計自体の価値がこの二十年で大変に上昇しているのだろう。

時計を愛する者として今が不当に高いとは思わないが、この時代か激安であったとは言ってもよいのではなかろうか。クオーツショックからまだまだ脱しきれず、機械式時計の価値がまだ定まっていなかった…というのもあるのかもしれない。


誰かタイムマシンとお小遣い下さい、と思いました。切実に。


余談ながら、憧れのユニバーサルジュネーブのトリコンパックスについて、栗崎氏の記事がある。

熱量のある素晴らしい記事。ボタンの操作まで解説してくれていてたまらん。

氏とは一度だけ、ものすごくたまたまではあるが、電話で話をしたことがある。時計愛がひしひしと伝わってきた。そしてめっちゃめちゃ丁寧で優しかった。 



以上、時計の価値というものについて考えさせられた一冊でして、とさ。