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2017年03月

ELGIN 手巻き時計の修理 その2

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さて。輪列受けを外して歯車を取り出す。パラパラと出て来る。



これが、受石。ジャンク時計の見過ぎで、受け石があると高級品に見えるようになってしまった…



超音波洗浄機の準備に取り掛かる。水を入れて洗剤をほんのすこーし入れる。別に専用洗剤でなくても、台所用洗剤でよいという話もある。液体歯磨き粉とか。…ほんとか?


洗浄待ちの部品たち。この作業シート、それっぽいから使ってみたけどパーツがめちゃめちゃ見にくい。普通にA4の紙をしいて作業するのが一番良い。間違いない。


香箱を開け、ゼンマイの様子を見る。下手に開けるとものすごい勢いでゼンマイが出てきて、目に当たれば失明してしまうので注意。
このように、そーっと…しかし力を込めて開ける。


おお!!

メインスプリングはとても綺麗であった。ヨシヨシ。これは洗浄せず、グリースを塗ってそのまましまうことにする。

機械式時計のことをゼンマイ時計とか、ゼンマイ仕掛けとかいう人がいるが、まさにその、ゼンマイがこのメインスプリングである。


…さて、問題のこいつだ。

チラネジ付きのご立派なテンワなのだが、なぜヒゲゼンマイが外れてるんや…😭なぜや…




どうしよう、と、途方に暮れつつ…



続く。

ELGIN 手巻き時計の修理 その1

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こちらは、先日手に入れたジャンクの山の中で光っていた一本。



名門エルジンの手巻き時計である。傷だらけで不動なのだが、ケースの形もダイアルもそこはかとなく上品さが漂っている。なんとか使えるようにしたい一本である。


裏側。フチにコジアケを突っ込んで捻って開けるのだが、完全に固着。傷だらけなのは、無理やり開けようと何度もコジアケを擦ったものだろう。

こんなもの体重をかければどうという事はない、開けたら金属製のスペーサーが出てきた。スペーサーとは、ムーブメントとケースを固定するもので、安物はたいていプラスチック製である。安物じゃなくてもプラスチック製は多いのだが、これはどっしり金属製。いい時計である証拠である。


文字盤にはビンテージらしい経年のヨゴレ。これは仕方ない。時計のアジとして楽しむのが吉。

ムーブメントをいろいろ見てると…


ん!??!

テンプがクルクル回る。全くヒゲゼンマイのバネが効いてない。ヤバっ!と思ってテンプを取り出してみると…



がーん…

一番あって欲しくない場所、テンプ回りでのトラブル発生。テンワと呼ばれる金色の輪っかが、完全にヒゲゼンマイやテンプ受けから切り離されてしまっている…

チラネジ付きのとても美しいテンワであるが、こうなってしまうとガラクタである。


ヒゲゼンマイがテンプ受けの裏側に残っている⬇︎



後でじっくり見るとして、この時点でレストアを八割諦めたのだが、とりあえずやることはやろう…と、バラシにかかる。

文字盤を取り、



日の裏には特に問題なさげ。



輪列にもおかしな所は無し。



じゃーバラして行きますか…

丸穴車、角穴車、香箱受けを取った所。




…その2へ続く。





















オメガ メモマチックとお出かけの巻

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Omega memomatic。

機械式時計なのに、ハンマーとポールを内蔵していて、セットした時間になるとハンマーが高速で振動してアラームを鳴らす仕組みの時計。

僕はこの機構の時計が好きで特にこだわって集め、使っているのだが、特にこのモデルへの思い入れが格別である。

中身は名門レマニアのムーブ。レマニアブランドで外見がそっくりなモデルもあり、どちらが先に出たのか知りたい。



ブレスは非純正のバンビブレス。でも、よく合ってるし何より作りが良く頑丈なため、特に夏は五年近くこのままである。冬はたまに革バンドにする。

青ダイアルがレア感あって、洗練されたデザイン、視認性も文句なし。


決して手放すことのない一本のご紹介でした、とさ。

ジャンク時計ゲトー

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開封の儀。





ジャンク時計を買う楽しみは、安い値段でまとまった数の機械式時計が買え、修理の練習ができ、故障のパターンを知ることができ、誰かが長年使ってきたであろう形跡を眺めることで、全く見知らぬ他人の人生に思いを馳せることだ。


これとか、有名メーカーのものも混ざっててりするのでたまらない。これはブレスもオリジナルだ。

うーん、楽しみ!



なお、気になるお値段は…



時計三千、送料三千の合計六千円…也。

オメガ f300Hz シーマスターの掘り出し物…?

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ゲットだぜ。
ヤフオクで送料込み一万七千円也。動作品ではあるが、一日数時間の遅れ…とのこと。

だが、

めっちゃめちゃ正確に動いてるんですけど…

もしこれが正常動作品なら、送料込みで2万以下なんてありえない掘り出し物だなあとか思いながら開封したのだが、まさにその通りであった。超ラッキーであろう。

だが。この時計は使われるために買われたのではないのであった。





続く。多分。





Memovox E855のジャンク出品

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を発見。


これを見て、疑問に思ったこと。



このモデルは、2時位置のリューズを引いておくことでタイマーを解除できる。つまり、リューズを普通に入れていた状態では、アラームが作動してしまうのである。

毎回アラームがなるとうざいので、必然的にこのリューズは一段引いたままにしておく。すると、このようにリューズから水分が入り込み、ムーブやダイアルを痛めるのである。

アラームなんて一度鳴らしてほっておけば?と思うかもしれないが、アラームが鳴りアラーム用ゼンマイが解放しきってしまうと、アラーム用ハンマーがフリームーブになり、カチャカチャ喧しいのであった。

好みの問題ではあるが、このモデルのムーブは、伝説的ムーブと言われていて僕も大好きなのであるが、この点においてアラーム用ムーブとしては手巻きのバルカンクリケットの方が良くできていると個人的に思う。

さて、針は、明らかに後付けである。ドーフィンハンドというだけの、似ても似つかない針が使われている。


夜光は、なんか少し内に寄りすぎてない?!と思わなくもない。

バーインデックスは、僕の好きな長いタイプなのだが、内側の
余白が多すぎる。同じく、ロゴの下部分も空きすぎている。


…と言うわけで中身も推して知るべしなのだが、気になる落札価格は…



十万円弱也。

これ、ケースだけで十万を超えた例もあることを思えば、ボロボロの個体でも割安感はあるなあ。


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