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2018年03月

エンポリオアルマーニの時計を預かる…驚きみが深い編

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友人Nくんから預かったこの時計、外装の傷を少し取ってやろう…と思いバラしてみることにした。

見た目はこんな感じの渋さ。
皮バンドの質感が大変良い。かっこいい。

Emporio Armani
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いわゆるファッションウォッチ的な感じなのだが、意外とこれがなかなか良い。

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小ぶりなダイアルにシャープなバーインデックス、夜光が一切ないという潔さ。
そして何より目を引くのは、一見トゥールビヨン的な位置に配置された、両持ちテンプ。


裏側。
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グレード感の高そうなムーブメントである。オメガの如き輝きを放つムーブメント、丁寧なコートドジュネーブ紋様…


すごいなぁ、よくできてるなーと思いながら、まずは少し錆びた裏側のネジを取り外しにかかる。 
 
少しきつかったがなんとか外れた。そして軽く抉って裏蓋を開け衝撃を受ける。

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!!!!!


裏側のガラスが、色付きやん!!!!!


…初めて見た、ガラスに色付きの時計。

サングラスかて!

岐阜出身の先輩が、"〜かよ!"というツッコミの時に"〜かて!"と言っていた史実による


外して見たらこの通り、ごく普通のムーブであった。なんならコートドジュネーブか浅く表面的で、あんまり綺麗ではない…その他のパーツの仕上げもソコソコである。
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そりゃそうだ。なんか騙されたなぁという感じと、よくもこんな工夫をしたなあという気持ちで爽快みが深い。

裏を返せば、持ち主くらいしか見ないであろう裏側にもこんなトリックを仕込んで見てくれを向上させているくらいなのだから、ある意味ユーザーのことをキチンと考えてできる範囲での工夫を凝らしている、とも言える。

伊達に強大なシェアを持っているというわけではないようだ。ファッションブランドとしての努力がなされていて、頭が下がる思いみがある。


オモテ面。

まさか?と思いつつ抉ってみると…
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お前もか!お前も色付きガラスか!
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こっちはダイアル(文字盤)も綺麗なので別に色無しでもいいと思ったのだが。
まぁ、分けるとコスト高になるとかなのかもしれない。
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ファッションブランドだからこそ、自然とサングラス的な概念を時計に適用させる事ができたのだろう。

ロレックスやパテックが今後色付きガラスを搭載したモデルを出すことなど、とてもではないが考えられない。

夜な夜な時計雑誌やマニアの愛用時計画像を舐めるように熟読する、やや時計愛を拗らせたような方々には結構新鮮なのではなかろうか?


僕には新鮮であった…



…ポリッシュ編へ続く。

SEIKO SPACEMOVE と一緒に過ごす

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さてここ数日、もっぱらセイコーのスペースムーブを着けている。

こんな変な飯を食ってるときでも…
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色が文字盤によく映えている!
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これ、何を食ってるか想像できるだろうか?
世の中には一生のうち食べるどころか見も聞きもしない料理がたくさんあるが、これも読者諸氏にとってのそんな料理の1つであろう…


ハンバーガー(オサレなやつ)食ってるときでも…
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このバーガー、肉もチーズもめちゃめちゃうまかった…

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久しぶりにサッカーして走り回ったときも…
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この通り、いつもクールに佇んでいる。
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ところで僕はあまりクォーツ時計に興味がない。

単純に好き嫌いの話なのだが、ゼンマイ時計やテンプのチクタクと振れる音が、好きなのだ。壊れたら壊れたで、どこが壊れたか見てわかるものが好きなのだ。

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この時計はクォーツで、しかも真ん中の赤いクロノグラフ針が実はただの秒針であるというトリッキーな時計である、

それでもこの時計を愛して止まないのは、この時計に素晴らしいストーリーがあるからだ。

この都会の文字盤は、実際に宇宙に行ったスペースシャトル、エンデバーの表面に敷き詰められていた、耐熱パネルを溶かしたものが塗り込められている

毛利衛飛行士を乗せて、実際に地球の外、未知の領域へ人類が踏み込んだその一歩を支えた重要な機構である。

僕はかつて、時計とはその発明を神に誇れる数少ないものの1つではないか、と書いたことがあるが、宇宙に飛び立ちそして還ってきたスペースシャトルもまた、その1つであろう。

原始の時代、人は未知の世界を夢見て船を作り、大海原に漕ぎだした。海流や天候に恵まれ新天地にたどり着き、そこで家を作り、家族を得て、文明を築いた。

寄生虫の研究結果などから、実に4000年もの昔すでに日本から海を渡り、南アメリカ西海岸に到達した部族がいた事も分かっている。

未知に漕ぎ出す船、その現代の象徴がスペースシャトルそのものではないだろうか。これがロマンでなくて何であろう、物語でなくて何であろう。

この時計の文字盤を眺めていると、スペースシャトルの耐熱タイル素材の凸凹が、その微かな陰影を静かに映し出しているのがわかる。

その陰影の1つ1つに、人類の普遍的に持つ限りない探究心と好奇心、そして数多のエンジニアの執念が宿っている様に思える。それらはまた、その下に息づいている無機質なムーブメントにも、同じく宿っていよう。

古代の同胞は広い太平洋の真ん中で、凪の夜に見上げた星空と何を語り合ったのだろう。ただただその好奇心、未知への探究心を抑えきれない情熱を、何より生命を賭した執念をひたすら天に説いていたのではないだろうか?

そんなことを考えていると、この時計を巻いているとなにかそんな精神にあやかれるような気がしてくる。この時計を好き好んで買い求める好事家達、とくにSEIKO SPACEMOVE とかってググって偶々ヒットしたこんな場末のブログを読んでいる人たちには、そんな風に思う人もおられるのではなかろうか?

未だ見ぬ素晴らしいもの、---- 例えばオバQの頭に胡麻とネギをふりかけて並べた料理のようなもの ---- にいつかたまたま出会うため、冒険と好奇心を忘れたくないものである。

以上、SEIKO SPACEMOVEとしばし過ごしたお話でした。

パテック、バーゼル2018でまさかのコラボ                                             か?

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バーゼルワールド2018でついにお目見え、みんな大好きパテックフィリップのノーチラスパーペチュアルカレンダー!

Patek Philippe 
5740G

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ノーチラスは、パテックフィリップのスポーツタイプのラインで、圧倒的人気を誇るシリーズ。特に最近の値上がりははなはだしく、時計界の仮想通貨と呼ばれている。 ※嘘です
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めっちゃめちゃかっこよいなー。

個人的には、中央左右のカレンダーが文字盤の9時と3時を結ぶ線分に対してピチッと中心を揃えている所がとてもよいと思った。このブログのタイトルにしている、ロレックスのデイトナ16520の如く整合みが深い。(使い方あってるかこれ?)


ホワイトゴールド、コンプリケーションでお値段10万スイスフラン…はまぁ良心的…ではあるのか?ややお高めか?

まぁ欲しい人は今からあらゆるコネを駆使して抑えにかかるのでしょう…がんばれっ!!…そして一度でいいので巻かせて下さい…🙇


しかしこれ、うーん…


例のアレに、ね?


あの、舞浜の、ミッ…
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…ハハッ

ガーミンの時計のバンド交換、そしてスゲェなあとおもったお話

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もちろん僕の時計ではない。友人のW君が、バンド交換してくれ〜と頼んできたときの写真。

なんかナイロンバンドから、金属のメッシュバンドに替えた。
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このように、バックル側は磁力で止めるタイプ。Apple Watchのようなやつ。

思うのだが、人混みの中で擦れたり引っかかったりして、落ちてしまわないものなのだろうか?
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裏側には、センサーが埋め込まれている。何を読み取るのかは、知らない…せいぜい脈拍とかだよね!?なぜ光る?!なんか静脈認証でもしてんのか?
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いざつけて見ると…

結構ヨイではないか。

特にこの時刻表示、

重厚な戦車…あるいは漫画雑誌…計器、軍事作戦のブリーフィング、かすれた新聞、古い看板、スタンプ、

そんなものたちを思い起こさせる時計である。(※ディスプレイは変更可能)

文字が斜めに配置されていて、見切れている。これで必要な情報は全て読めるのだから、別に構わないよなあ。見易いし、このスキンを考えた人スゲーとおもった。
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さすが飛ぶ鳥を落とす勢いのガーミン、いいものづくりをしている。

ウォッチメーカーは他業種からの参入に危機感を抱いていると言われるが、さもありなん、機能、モノだけでなく、デザインやUIに至るまで、これまでの伝統的ウォッチメーカーには創れない領域のモノだと感じた。

少なくとも傍目に見ていて、ガーミンの腕時計製品の展開は、大成功のように見える。SUUNTOやPROTRECK、その他中規模スマートウォッチメーカーはかなり喰われたのではなかろうか?

手にとって巻いてみてモノの良さがよく分かった。

別にLINEやフェイスブック、着信の通知機能が便利だとは思わないが、携帯を見ることが出来ない場合などあればより良い人も沢山いるだろう。

スゲェなぁガーミン。頑張れガーミン!


機種は多分これかな?
⬇︎

バーゼルワールドで大注目して欲しい独立系ブランド: コンスタンチン・チャイキン

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もう長い間、これめっちゃめちゃ欲しい…!と思っている時計がある。


ロシアの独立系ウォッチメーカー、
Konstantin Chaykin
Joker watch
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右眼の黒目の位置で時刻、左眼の黒目の位置で分を示し、口はムーンフェイズとなっている。


今年もバーゼルワールドに出店するらしく、これから益々注目度が上がっていくメーカーとなる、はず。
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左右にあるリュウズは耳を模しており、右耳側はムーンフェイズの調整を行う。

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リュウズにはメーカーロゴ。


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コンスタンチン・チャイキン氏。AHCI、独立時計師アカデミーのメンバーである。
渋いっ!!

コンスタンチン・チャイキンは実に真面目なウォッチメーカーで、他にもカッコいい時計を作っている。

僕の大好きなレトログラード機構を持つこのモデルは中央のムーンフェイズが存在感抜群である。

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こんなのも。
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このモデルには分の表示に砂時計があしらわれている。⏳
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氏は他にもテーブルクロックなども手がけており、どれも美しい。


…しかしやはり、個人的にはジョーカーウォッチシリーズが飛び抜けて良いと思う。堅実なモノづくり、溢れ出る遊び心、それでいて洗練されたシェイプ…素晴らしい。

こんなのを企画して創り出すとは人間業とは思えない、実に非凡な才能と技術だ。

これはピエロのモデル。
通称Clown 🤡
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ハロウィンバージョンもあり。なんと眼が三角形である…
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黒いバージョンもある。
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ベゼルに刻まれたトランプの模様といい、ほんとにカッコヨイ時計である。まだ買えるのだろうか?

気になるお値段は6,999€とそんなに高くない(独立時計師の割には)。チタンバージョンはプラス2000€。

中身はETA2824-2らしいので、メンテナンス性も良いであろう。
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数少ないリストショット。
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以上、コンスタンチン・チャイキンのジョーカーウォッチのご紹介でした。ほんとカッコヨイ。欲しい…


ちなみに、今年のバーゼルワールド2018でチャイキン氏がつけてるジョーカーは…

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ジャケットに赤ネクタイを巻いている🤣🤣🤣


いいなー、行ってみたいなぁー…会って見たいなぁ〜…😭


尚、氏の時計は公式ページでは台湾で買えるとあるが、日本での案内は無いようだ。すごい人気出ると思うのだが…

以下は公式サイトのリンクです。
Konstantin Chaykin

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All picture was referred from Instagram account of Konstantin Chaykin @k_chaykin

ドキドキ電池交換 ⚡️エレクトロクロン編その2⚡️

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また電池が切れてしまった。ゼンマイで動かない時計は不便なものよのう。

Wittnauer 
Electro-chron
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裏蓋を開け、電池を取り出す。

蓋の裏にある白いのは、ダンボールで作ったスペーサー。我ながら適当すぎ…
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この時計は、ゼンマイ動力の代わりに電力で歯車を回しているだけである。なので、テンプも普通にチクタクチクタク音を立てて動いている。

電池の利便性と機械式時計のぬくもり、その両方を堪能できることがこの時計のオーナーの特権である。


大げさなほどに稲妻がデザインされた短針、長針、秒針、これらは当時としてはとても画期的であった電池式時計の販売を大いに誇ってい事の表れであろう。


さて、自作スペーサーのダンボールから出る粉塵は機械の大敵なので、いまさらながらビニールテープで補強してやることにした。
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これで…
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こう。
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余ったところはハサミで切る。結局断面が見えちゃってるのだが…まぁいいか 笑。
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電池。五百円程。
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スペーサーの真ん中のくぼみに、ポチっとな!
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ハマった。
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蓋を手締めする。

この正多角形の裏蓋は60-70年代の時計に多いのだが、正直開けにくいのであまり好きではない…いいオープナーが欲しいなぁ。
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今回も無事に動き出して何より、良かったよかった!この瞬間は本当に心臓に悪い。スペーサーの位置が悪いと動かなかったりするので、ほんま焦る。
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いつみてもカッコヨイ。テンプの振れる音がとても心強い。



以上、エレクトロクロンの電池交換でしたとさ。

iPhoneで写真を消さずに使用容量だけを劇的に減らす方法

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…今日のエントリはまったく時計に関係ないように見えるタイトルであるが、その実深く時計に関係するエントリである。
なぜなら、携帯電話で腕時計の写真を撮ろうとしたとき、「容量がいっぱいです」などと言われて悔しい思いをしたことが二度や三度ではなく、僕がそうならきっとこれをお読みの諸氏もそうだろうと思って、時計に関係するエントリだと言ってみるものである。
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 この忌まわしいポップアップメッセージ…

あ、泥User丁寧に言うとAndroidをお使いの皆様は飛ばして読んで構いませんです。

さて、iPhone である。
素晴らしいUI、統合されたプラットフォーム、抜群の操作性能、なにより美しい見た目、とてもとても素晴らしいデバイスであることは間違いない。

が、どうしても不満な点、それは、「容量」!

せっかく美しい写真、美しい動画をとっても、あっという間に容量がいっぱいになってしまう。それでどうやってデータを空けるかといえば、これが信じられない。わざわざPCのiTunesを立ち上げ、接続し、アプリケーション上で操作を行うのである。

…まあこんな文句を言っても始まらないので、以下に、iPhoneをお使いの皆様で”写真を撮りすぎて容量がほとんど無い!どうしよう!!”という方向けに、空き容量を劇的に増加させる方法を説明しよう。


似たようなことをやるアプリはあるようだが、便利で大幅に削減できるものは有料・無料問わず見つからなかったので、おそらくAppleの推奨する方法ではないのだろう。不慣れな方は特に、必ずバックアップを取ってから実行されたい。


また、この方法は僕のオリジナルで、iPhone4の頃からやっているのだが、未だに他で同様の手法を解説しているページを見たことが無い。なので、結構良質な情報だと思う・・・のだが如何だろうか…



激レアなコンパックス”NINA RINDIT”、ヤフオクに登場、即退場

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ユニバーサルジュネーブという名門ブランドがあるが、何と言ってもみんなの憧れはCompaxシリーズ!

特に四つ目のトリコンパックスシリーズが有名である。いつか欲しいなぁ…


さて先日、こんなモデルがヤフオクに登場していた。

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これを見てわかる人はすぐにわかるであろう、一見OMEGAのスピードマスターのような外観はまさに激レアなコンパックス、"NINA RINDIT"モデルである。リファレンスは885103/02のようだ。

驚くべきことに、ステンレススチールのUGブレスがついている。まさかオリジナルではないだろうが、しかしものすごく価値のある個体であることは間違いない。

本物であれば、であるが。

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なお、この出品は何人かが入札した後に即効で終了させられている。

事情は分からないが、出品者が悪者に騙されたりしていない事を祈るのみである。
しかし、どう見積もってもこの時計には200万円以上の価値があるであろう。すこし色違いの同モデルはオークションで450万円ほどで落札されたこともある、まごうことなき超希少モデルである。

…繰り返すが、本物であれば、である。

見る限りとても、とても本物に見えるが。。。
ま、写真のものが送られてくるとは限らないのがヤフオクの怖いところ。笑。

ニナ・リンディットはモデルにして著名レーサーの妻。
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腕にはレザーカフの上に巻かれた当モデルが輝いている。かっこよすぎ。。。



以下の画像はこのオークションの説明文。
キャリバーは72だと思います、思います、、、思いますてどゆこと!?
72は誰でも知っている超名作キャリバーで、三つ目の高級機にはこぞって採用されているものだ。
それを、「思います」って・・・。怪しい。。
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なお、この時計の参考ページとしては、HODINKEEのこのエントリが良い。
https://www.hodinkee.com/articles/found-tropical-universal-genve-nina-rindt-compax-chronograph


大量に写真があるのでどれだけカッコよい時計かお分かりいただけるであろう。

なんとこのHODINKEEの個体は、神戸の古物屋のような所から買い付けたものである、らしい。英語がまったくわからない店だったので、HODINKEE執筆者の親戚の伝手をたどって日本語でコミュニケーションをとれる人を探し、ようやく買ったのだ、とか。買った値段は謎である。笑。


うーんしかし、謎に満ちた出品であった。
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なんといっても針がかっこよすぎる!!
時針、分針の、UGらしいスペーシーな芸術的シェイプはもちろん、積算計や秒針の四角い針などもはや芸術品の域である。
かっこよすぎる。。。。


しかし、気になる点としては、出品者が以下のように新規であることだ。

ヤフオクを少しでもやったことがある人ならわかるかと思うが、基本的にこういった新規ユーザーは碌なもので無いことが多い。
特に、こういった高級品を一点数もので出すというのは要注意である。僕はまだ終了前にこのオークションを見ていたが、この出品者の情報を見て関わるのは辞めておこうと思った次第である。w。


説明文の最後にある「見落としがあるかもしれません」は、偽物を出品する奴らが使う常套句のようなものでもある。

そう、偽物の可能性は結構ある。

ロレックスのデイトナほどではないものの、ビンテージもののユニバーサルジュネーブのクロノグラフは人気が高く高値がすぐにつくため、結構凝った偽物も存在するとの事であった。
僕は本物との比較写真を見たことがあるが、全然偽物だとは分からなかった。当然これらの出品写真を見ても分からない。

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オークションというのはこういう事がたまにあるから面白い。


この時計はどこからきたのか、だれのものだったのか?

なぜオークションは途中で終了したのだろうか?

真実はネットの海の奥深く、誰も知りえない暗闇の海溝に葬り去れた。


それでよい。



以上、ヤフオクでヤバい時計をみかけたお話でしたとさ。



セイコー ベルマチックは良い時計

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世界に名だたるマニュファクチュール、セイコー。

70年代の傑作である、機械式アラーム時計 Bell-Maticは、端正なフェースに小洒落たアラームを備え、しかもデイデイト表示。

実用性をトコトンまで追求した時計なのである。
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が、しかし…

手巻き機能がない😂


昔々、この時計を持つような人はきっと、一点ものとして末長く大切につかうような、そんな人達だったのであろう。

毎日手に巻くものなので、手巻きなど必要無い。セイコーの誇るマジックレバー式自動巻きで、機能的には十分だったのだろうと思われる。

…もちろん僕はこの大切な時計を毎日巻く事は出来ないので、たまに使うときはこうやってドライバーを用意し、
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蓋を開け、メインスプリングが収められている香箱をマイナスドライバーでひたすら巻くのであった。
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これが本当の手巻時計…



しかしいつ装着しても安定感抜群の一本でした、とさ。良いデザインは不滅なのだなぁ。

…こんな良い時計が二、三万で中古市場で手に入る…なんて、ちょっとお得過ぎないだろうか???
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カッコヨイー

おひとり様上等 / 愛用時計とフレンチ

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世間では、一人焼肉だ一人カラオケだと生温いことを言ってはおひとり様上級者などと言うらしいが、なめられたものである。一人焼肉などは肉好き、韓国料理好きにはもはや常識。
僕は駆け出しの頃は風邪を引くたびに近所の焼肉屋に1人で駆け込んでたんまり韓国料理を食い、たんまり寝て、翌朝には治していたものだ。

さて、今回はおひとり様愛好家の読者諸氏でもあまりしたことが無いであろう、

ぼっちフレンチ

である。


食前酒は、メニューを熟読しながら嗜む。
バターは冷えた石の入れ物に詰められていてお洒落で機能的。
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時計は
Vulcain cricket nautical
キチンとした店にもキチンと付けて行ける、どこに出しても恥ずかしく無い時計だ。

まず頼んだのはロブスターのスープ。
濃厚なエキスが芳醇なロブスターの香りを放ち、甲殻類好きには堪らない。口に含むとそれが一気に身体中に広がり、脳が"コレ今美味いもの食ってるで!"モードに即時に切り替わる。
ぼっちフレンチを迷いもなく敢行するこの僕の旺盛な食欲を諌めてくれているようだ。

口に含む前から喉を通過した後まで、僕は旨味の深いスープと、柔らかなロブスターの身の口触りの虜になった。一口目から最後のスプーンにいたるまでまるで顔の目の前でロブスターが微笑んでいるかのような錯覚を覚えた。
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付け合わせにはチーズオニオンバゲット。
コクx香りの組み合わせに、メインばりの満足感を覚える。

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しけしここで満足するわけにも行かないので、気休めにパテを注文。
絶妙の塩加減で、ジューシーさの中にも爽やかさのあるパテ。
本場フランス仕込みのバゲットをペロリといってしまう、危険物である。

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と、ここで徐(おもむろ)に登場したのはメインのアントレであるビーフウェリントン
キタ!つーか、デカっ!!デカいって!!
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これはどんな料理かと言うと、ビーフステーキをフォアグラなどで作られたデュクセルというドロッとしたソースで覆い、その上からパイ生地で焼き上げたもの。それを写真のようなソースに付け合わせて食べる。

…この文章だけでも美味いのが伝わるだろうか?
そう、これがめっちゃめちゃ美味いのである。

ただ美味しいというのではなく、めっちゃめちゃ美味い。

まず、サックリとしたパイ生地にナイフを入れ口に運ぶと、パイ生地のフワっとした感覚がまるでフライ級ボクサーのジャブのように一瞬で消え去り、すぐに繰り出されるフォアグラの強烈なパンチに舌が完全にグロッキーになった。背徳感をそそるこの濃厚な口当たりは、まるで研ぎ澄まされた右ストレートのようであった。

ようやくフォアグラの味が去ったと思いきや、間断もなく襲いかかるは程よくミディアムレアに焼き上げられたビーフ。
実はパイ生地、フォアグラのデュクセルなど一口の中のほんの1/4に過ぎず、その後はひたすらビーフの旨味との闘いとなる。

柔らか過ぎず、硬過ぎず、僕の顎を独り占めして離さない。
そろそろ顎を止めようか…と考えたが、ここで効いてくるのが皿に大量に注がれているソースである。

そうだった、僕は一口目とともにソースも口の中に運んでいたのだった。

ようやく口の中でビーフとソースが解け合うことで、まるで僕の口が欲していたものを知っているかのように、肉とソースはお互いを引き立てあいながら、旨味のスパイラルを形成する。

ただひたすら牛肉は美味い、そういうシンプルな事実、そう、誰でも知っているごくごく根本的な事実を思い知らされるのであった。

ロブスターやパイ生地、フォアグラなどに魅了されていたのはなんだったのか。夢や幻ではなかったか?"牛肉は美味い"、こんな事を忘れて僕は何をしていたのだ。

フォアグラの痛烈パンチを浴びた後のグロッキーな僕は、ビーフとソースのコンビネーションにいいように翻弄されてしまった。

短いリングがなり、ようやく相手の攻撃が止んだ。
一口目を完全に咀嚼し、嚥下したのだ。

これでやっとラウンドワンが終わったのか?こんなのをあと何ラウンドすれば良いというのだ?!

この写真、ビーフもデュクセルも美味そうに見える…だろうか?
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あとはただひたすらに美味い飯と戦い続ける。

ほんとうに、スプーンを口に運ぶたびに旨味が口中で大暴れするのである、解ってはいてもたまったものではない。


数ラウンドを重ね、
白ワインで一休み。ビーフなのに白?!と思うかも知れないが、これでよいのだ。

ふ、と。グラスを傾ける時に、愛用の時計が目に入る。ワイングラスの輝きを静かに写し、ブレスのコマとコマの擦れ合う静かな音を立てる。

そうか、ぼっちではなかった。僕はこいつといたのだ。
ハードな1日を共に乗り切ったこの相棒とフレンチを楽しんでいたのであった…

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メインが去り、デセールなど楽しむ余裕がないほど満腹感と満足感に浸された。

幸せである。フラ語で言うとウールーである。トレウールーである。
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…フレンチはなんとなく敷居が高いが、型にはまっているので意外と気軽に楽しめる料理である。是非みなさんも愛用の時計と水入らずのフレンチライフをエンジョイして頂きたい。


以上、愛用の時計とおひとり様フレンチでしたとさ。

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