時計愛好者と会う際の心得と、不幸なトラブル
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恐怖?のオフ会
以前、時計オフ会(gtg)の様子がSNSで流れてきたのだが、その中で高級時計を並べ記念撮影をしていた際、一本が倒れ横においてあった高級時計を直撃するという悲劇が発生してしまった。
ちなみにぶつけられた側は風防の上、ぶつけた側はクロノグラフのプッシャー側側面であったので、この場合破損リスクは不幸中の幸い?にして、ぶつけた側のほうが大きかったといえる。
海外のオフ会画像などを見ていても、片腕に大量のパテックフィリップをはめていたり、無造作にテーブルの上に広げ重なり合ってる部分があったりと、ハラハラする画像を見る事がままある。
以下は僕の愛読する時計ジャーナルサイト、SJXのGTGの様子である。コレを見て、ここに大事な時計を参加させたくないなぁと思う人は、決して僕だけではないだろう。ただでさえ繊細なビンテージ時計のベゼルに金属を乗せるなど、ちょっと考えられないレベルの無配慮である。
https://watchesbysjx.com/2016/12/photo-report-vintage-rolex-asylum-3rd-anniversary-the-tropical-paradise-gtg.html
時計は実用品であると同時に非金融資産、そして装飾品でもあるため、人によっては線傷一つすら許さないという場合もままあり、他人のものや売り物を取り扱う際には細心の注意が必要になるというのが暗黙の了解である。
で、この暗黙の了解というのが、よろしくない。
暗黙の了解という無了解
話は変わるが、国際規格という概念がある。各国で違う基準をもとに何かをするのは効率的ではないから、国際的に合意した基準をもとに運用しようという取り決めであり、品質保証の基準点である。ISOやIECなど国際的に共通の規格を作るものもあるし、各国が国内で取り決めるものもある。
こういったものがないとどうなるか?
相手とのコミュニケーションの前提となるお互いの常識がバラバラのままであれば、当然やりとりに齟齬や過誤が発生し、効率も低下するし予期せぬ被害に遭う恐れもある。結果、交流は止まる、あるいは詐欺や敵対的取引などが増加し生産的な活動が停止してしまう。
そうならないために、国際規格というものが存在する。
翻って、時計の世界ではどうか?
当然、生産過程や品質においては工業規格などが存在するのだろうが、時計愛好家がその他の愛好家と交流する際に、お互いの時計をどのように扱うかという礼儀・マナー・プロトコルというのは、今の所きまったものがない。お互いがお互いの認識を信頼し、成り立っている。
お互いの暗黙の了解という無了解の元に、愛好家は集う事になる。
では、どうするべきか?
一番良いのは、『時計を趣味として他人と見せ合う際の決まりごと・マナー』を明確にし、それに時計業界の関係者が賛同を示すことであると思う。その中で必要な項目は、
- DO:やるべきこと
- NOT TO DO:やってはいけないこと
- BETTER TO DO:やったほうがよいこと
- BETTER NOT TO DO:やらないほうがよいこと
というように大別できるであろう。
それぞれに何を当てはめるかは、各々心当たりがおありだろう。そういう心当たりを持ち寄り、最大公約数的な落とし所を探り、それに権威がお墨付きを与え、敷衍され、皆がそれを納得し、実践するというプロセスを経て初めて一般的な常識となるのである。その常識の中で各々の愛好家は安心してお互いの時計を見せあい、自慢し合い、愛で合い、あるいは競争し、国家や人種の壁を超え時計愛を語り合うという、豊かな時計文化が醸成されていくんだと思う。
山積みの問題、それを解決するSolution
以下に、オフ会に関連して僕が目にしたことのあるトラブルを列挙してみる。また、それらに対するSolutionの考察については後の回に譲るとするが、どういうトラブルがあるかというのを認識しておくのも無駄ではないだろう。他にもあれば、コメント欄にて是非教えていただきたい、です。
時計同士がぶつかり傷ができる、テーブルと擦れ傷ができる、手の高さから机に落とし針が外れてしまう、バックルが机と擦れ線傷ができる、テーブルがガラスで時計を置くたびに甲高い音がする、ブレスがケースに当たり傷ができる、リューズを上下どちらで置くか諍う、グラスから水滴が落ち時計が濡れる、敬意が無いと感じる、指紋や油汚れがついて不快な思いをする、不適切な場で不適切に時計を見せ合う、勝手に腕に載せて写真を取られる、腕に乗せる際ベルトやブレスレットと当たる、知らない人に勝手に触られる、時計あるいは持ち主を中傷される(現場、及び事後)、SNS絡み:勝手にアップされる、持ち主の顔が勝手にアップされる、秘匿したい日時、場所情報をアップされる、所有者を明示せずアップする、誹謗中傷を受ける、勝手にコラージュされる、所有する時計を秘匿したいのに公開される、時計の一部不具合を公開される、etc etc...
どういうSolutionを考えるか、それをどう提言するかというのは、今色々考えているのでおいおい報告申し上げたいところです。自分の希望はものすごくシンプルで、なんの気兼ねも躊躇もなく誰もが時計愛を語り合い、それを尊重するのに必要なことを決め、皆で共有すること。
これだけSNSが普及している現代では、とても簡単な事ではないのだろうか?
みなさんもオフ会(GTG)、時計絡みの面談あるいは商談の際はくれぐれもご注意を…