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以前紹介したことのある、ロシア製アラームウォッチ。

なにやら調子が悪いとのことで診てくれない?と言われたため、喜んで診させていただいた。
いやーまさかムーブメントが拝めるとは・・・

これが時計画像。

たたずまいがCOOL! ケースの金色とインナーダイアルの金色が良く合っている。

裏側。なんとなく、スクリューバックが僕の愛用しているジャガールクルトのMemovox E855に似ている。。。
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開けますよっと。

内側のプレートは、アラーム用のハンマーがあるため固定されているので、回して外すのは外側のリングのみ。三点オープナーを確実にいれて、押す力7割の法則で、しかしより確実に、押す力を8割程度にしながらゆっくりと回して開ける。
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外れた。

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いよいよムーブメント!!

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おお!!!

きれいなムーブメントだし、上質だ!!機構も見たことなくてとてもウキウキさせてくれる・・・!!

拡大。携帯電話用のマクロレンズをなくしてしまったため、キズミを当てて撮影している。 

新しいやつかわないとなー・・・
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蓋の裏側。
なんと、アラーム用のポールは錆びて汚くなってしまっている・・・悲しいぜ・・・
速攻で錆び取り剤につけ数分放置、その後きれいに水洗い。錆びを取り去る。

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文字盤とムーブを取り出したところ。針はみたところきれい!!
文字盤のこまかな汚れは、どうしようもないなあ。
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秒針。なんと、折れ曲がっている。。。悲しいなあこれも。
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時針までとったところ。アラーム針、短い
。旧共産圏の奥ゆかしさなのだろうか。きつくハマりすぎており、文字盤に干渉してるんでは?!
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アラーム針も取り外し、、、日の裏側を確認。
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相当汚れがたまっている・・・!でも今回は分解掃除とかはしないため、
ロディコを押し付けて汚れを吸着させる程度にする。

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とはいえ、やはり少しはばらさないと汚れがとれない・・・
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しつこい汚れは、このようにロディコに押し付けてとったりする。ベンジン出すのがめんどいだけなのだが…
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動かしているといつのまにか止まる・・・という症状もあるそうなので、ムーブメントもみてみよう。
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テンプを外す。
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上から見たところ。受けやアンクルを取り外した。
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ムーブメントからは質実剛健、という印象を受ける。いいムーブやん!
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かっちょいい!!!
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歯車を抜く。
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二番車の受けを外す。
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これ、秒針が取り付けられる四番車なのだが。。。なんでこんなに汚れてるんだ。。。
そして、なぜ曲がってるのだ。。。
ここが時計が止まる原因だろうなあ、ということできれいにする。結局ベンジン取り出す羽目に…
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これはアラーム駆動部分。
奥に移ってるギザギザの歯車が、アラームハンマーの腕を激しく弾くように振動させ、ハンマーは裏蓋についているポールを叩き、音を鳴らすという仕組みである。 手前の歯車はアラーム用香箱の角穴車⚙

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これがアラームハンマーを駆動させる歯車。形がかっちょよい!
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アラームを駆動させるメインスプリング。 開けて、注油。
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さっきの四番車、ベンジンで洗ってこすってきれいにする。先端が曲がってるのは、戻そうとすると折るのは間違いないので、放置。
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それぞれ磨いたり注油したりした部品を組み戻していく。
この時計、二つの竜頭がものすごく入りづらい・・・ 

アンクルをつける前に竜頭を入れて、ザラ回し。高速になりすぎないよう注意しながら、歯車がスムーズに回転することを確認する。
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その後アンクルを取り付ける。少しだけゼンマイを巻いて、ピンセットで弾いたらちゃんと全ての歯車が動くことを確認する。そしたらテンプをつけて、動き出すことを確認。元気に振れている! 
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針は、曲がっているのをできるだけ伸ばして再び装着する。
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アラームが鳴るタイミングをきちんと合わせるのがやや難しい。
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・・・この後は歩度を調整し、ケーシングし、無事持ち主の元へ戻りました、とさ。

なんか色々放置してるのだが、ちゃんと動くようになってよかったよかった!!


・・・と言いたいところであるが、渡すときにまだ一つ問題が修正されていなかった。

この時計、なぜかアラームをセットした時刻+四時間でアラームが駆動してしまうのである。

分解しているときに気付いたらよかったのだが、すべてケーシングまで終わった段階、渡す直前で気付いたため、今回はそのまま返すことにした。

ので、またいつか、この時計は帰ってくるだろう。。。そのときバシっと直せればいい、よなあ。