Hamilton Viewmaticのクリーンアップ その4
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部品の乾燥を待つ間に注油をば。
テンプ受けの耐震装置のバネを取り外す。
テンプ受けの耐震装置のバネを取り外す。
すると、こんな塊がポロっと出てくる…

これが受け石。小さい。
一番上の石を開けて、古い油を爪楊枝で拭き取り、新しい油を差す。
そしてそれを穴に戻して、耐震装置のバネを戻す。
一番上の石を開けて、古い油を爪楊枝で拭き取り、新しい油を差す。
そしてそれを穴に戻して、耐震装置のバネを戻す。
バネを戻す時はこの上なく優しくはめ込まないと、耐震装置が曲がってしまうので注意。
地板。
洗浄してないため、ベンジンをつけた爪楊枝と、ロディコとブロアーで丁寧に汚れを取る。目に見えない金属片とかはロディコでほぼとれるはず…

コハゼと、洗浄した丸穴車を取り付ける。AO-3を注油。
ピカピカ!
ピカピカ!
その他も黙々と組み上げていく…
んで、テンプまで着けて、テンプ受けのネジを締める前に、こんどはテンプ受け側の受け石に注油。
さっきと同様に耐震装置をぱかっと開けて、石の間を拭いて注油し、また戻して耐震装置をはめ直す。その後、テンプ受けのねじを締めて固定する。ぱかっと開いてる耐震装置をご覧ください。↓
ケースの研磨も忘れずに。このケース、何と部品を組み合わせて作っているため、仕上げが微妙に異なるパーツが混ざっている。ので、マスキングテープで、異なる仕上げのところを覆い隠して、鏡面仕上げの部分を磨く。
これは磨く前。

磨いたあと。ピッカピカ!!!

逆側も同じように。。マスキングテープをはがして付け直す。サンエーパールでひたすらこする。つっても一分くらいでキレイになる。

ケースが終わったらもう一度洗浄して、乾燥させたあとにムーブを装着。
これはもうムーブメントホルダーまで装着してしまった後の写真。
裏蓋もスタンバイ済みである。こびりついた茶色い汚れはベンジンや爪楊枝、サンドペーパーでこすって落とす。
さてここで、これまで大活躍であったパッキンにもう少し頑張ってもらうべく、グリース塗布。
いつもの塗布ケースにぶちこみ、ふたをしめてぐりぐり回すと塗布完了。
ピンセット二本を使い、抑えたり引っ張ったりしつつ裏蓋にパッキンを装着!
今後数年は、文字通り水際で水分の侵入を抑えてくれる役割を果たすことであろう。
パッキンは、さらにサランラップをつかってしっかりピンセットで押さえつつ、はめ込む。途中でねじれなどがないか注意すること。また、グリースがサファイアガラスなどについてしまわないよう、気を付ける。
裏蓋を閉める前に、お楽しみの歩度調整。
さすがETA-2824-2、この精度である。素晴らしい。ビンテージ時計に慣れていると毎回驚かされる…
さすがETA-2824-2、この精度である。素晴らしい。ビンテージ時計に慣れていると毎回驚かされる…
できあがり!!みよ、このツヤ・・・
龍頭周りもこの通り。ぴっかぴか!
ひとまず緊急メンテを終えたHamilton君。生まれ変わったようである。
微妙にではあるがカレンダーの切り替えタイミングも調整しなおしておいた。
微妙にではあるがカレンダーの切り替えタイミングも調整しなおしておいた。
お試し用に革バンドを装着してテスト運用(という名の無断借用)。
よいねーーかっこよい!!
よいねーーかっこよい!!

というわけで、Hamilton Viewmaticのメンテナンスでございました。
持ち主のT君には、個人的に似合いそうな革バンドを選んで勝手に買って、
抱き合わせで返却しようと思う。他人の金で選ぶ革バンド美味しいです。
持ち主のT君には、個人的に似合いそうな革バンドを選んで勝手に買って、
抱き合わせで返却しようと思う。他人の金で選ぶ革バンド美味しいです。
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