さて、このムーブ。お気づきの方もおられると思うが、…

穴石がない!!

地板に開けられた穴にそのままホゾが差し込まれているのである。

昔々の懐中時計ではこのようなものもあったと聞くが、こんなので耐久性とか大丈夫なのだろうか?!

大丈夫でなかったからこうしてジャンクに身をやつしているのか。

オドロキのNO (0) JEWELS 表記。

そのしたに見えてるポッチは二番車のホゾである笑。

んで、バラして簡易清掃して組み上げてみる。ザラ回しは問題ないのでアンクルとテンプを取り付ける、のだが…



なにこのアンクル!!!

緑の石が見えるのでノージュエルではないのでは、と突っ込みつつも、驚かされる形状である。

石があるのと反対側の腕は、分かりにくいがピンが突き出ていて、このピンでガンギ車を送っている。

平静を装って淡々と組み上げる。

いざ、巻いてみても…


動かない。

ピンセットでテンプをつついても、少し振れてすぐに止まってしまう。

うーん…



いろいろ眺めつつ、つついては止まりの繰り返し…

輪列ホゾ穴に注油したりしても同じ。

尚、アンクルのホゾは取り外し式になっている。

このネジを外せば、アンクルのみ受けが取り外せる。


テンプも同じである。

なんとこのプレートを外せば、テンプの受けが見える。笑

どうもテンプとアンクルが怪しい…と思い、取り外して少しだけ磨いてホゾ穴に注油。ついでにアンクルのガンギ送り棒?にも少しだけ注油。


☝️右の方に少し見えるのがガンギ送り棒。この隙間から、左側に見えている受けのホゾと棒に注油。


各輪列のホゾ。わずかに注油。


アンクルの送り棒アップ。へんなの。左側の棒はホゾ。


メーカー表記? MANOR WATCH Coと読める。そのうちググってみよう。



結論として、やはりアンクルとガンギ車のホゾ穴が詰まってたようで、簡単な研磨と注油で動いてくれた!!

テンプが回り始め、止まることなく動いてくれるのはたまらなく嬉しい瞬間だ。

そそくさとダイアル、針を取り付ける。歩度調整の前に針をつけてしまうのが重要だ。

スモセコ。
後ろに突き出ているところが可愛らしい。


12でピッタリ重ねる。三時と六時、九時でも確認、調整。


歩度調整のため、びぶ郎にかける。
あちゃー…だいぶ遅れてる。

ので、テンプの緩急針をつついて何度も調整。
うーん…全然だめだ。やはりパーツ一つ一つを丁寧に洗って、組み直さないとちゃんと動いてくれないようだ。
まぁ、元がジャンクなのでこれでよいか。

ケースと風防も適当にポリッシュ!


というわけで、
晴れて我が腕に!!!

こうしてみると精悍な顔つきである。

スッキリしてて悪くない!
これからちょくちょく付けてみよう。NATOストラップも試したいなあ。


…というわけで、以上、ジャンク再生のご紹介でした。