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カンボジア初の時計学校、Prince Horology訪問!その4

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引き続き構内の設備を見学していく。

金属加工室が本格的すぎる

金属加工室にはこんなものもある。

CNCフライス。でかっ!!本格的すぎる。入学したい…
CNCフライスとは、簡単に言うと穴あけマシンを固定してコンピューター制御でグリグリ動かしながら金属加工をする機械。素材を積み上げていく3Dプリンターとは逆の機械。
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うーん、すごい。。。。

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こちらはシャブリン社製の精密旋盤。
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ほかにもいろいろ機械があったが撮り忘れた。。。


こちらは生徒さんが使うロッカー。なんとロッカーまでスイスから輸入!!なんなんだ!!
そしてやはりかっこいい。開け閉めさせてもらったが、音が違った。笑。
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Prince Horologyに別れを告げる

ひとしきり回った後、後のスケジュールもあったので丁重に挨拶を交わし、市内に戻ることにした。

入り口横の待合スペースのソファ。

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学校の敷地をでて、大通りから振り返る。この中を入っていくと、学校に着く。
知らないと絶対たどり着けない。

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トゥクトゥクで市内に戻る。30分くらいかかるのだが、2ドルを渡せば問題なく連れて行ってくれる。風と振動が心地よい。

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そしてプノンペンの空港から帰路へ。
東南アジアの夕陽がまぶしい。キレイだなー。

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と、オープン前の時計学校、Prince Horologyの興奮がまだ冷めないのだが、このまま飛行機に乗り帰国しましたとさ。

今回は時計師の方々に会えなかったのが残念だったのだが、メールでいろいろと質問を送ったところとても丁寧に答えてくださったので感謝である。いずれ、日本語訳にしてブログに載せるつもりだ。


東南アジアの時計の未来に思いをはせる

カンボジア初の時計学校、おそらく日本人では初潜入であっただろう。御覧の通り、最新の設備、最新の環境が整い、現役時計師から指導を受けられるという東南アジア屈指の恵まれた環境である。

その1でも書いたが、アジアで時計を学ぶ環境は限られており、特にこういった時計制作までできる環境というのは非常にまれではないだろうか。東京のみなさんはヒコ・ミズノがあまりに身近なので実感がないかもしれないが、そのヒコ・ミズノの学校関係者の話によると、そういった本格的な時計学校はアジアでも2,3くらいしかないのでは、という事であった。

まさかカンボジアにこういった学校ができているということはご存じ無いであろうが、いつの日か知られる日も来るだろう。その時に、多くの時計師が、質の高い時計技術を学び、個性豊かなオリジナル時計を作成し、ゆくゆくは独立時計師アカデミー(AHCI)で脚光を浴びるスターが誕生していれば、いいなあ。


以上、4エントリに渡る、時計学校訪問記でしたとさ。走り書きで申し訳ない。


※関連記事は以下から御覧ください。



カンボジア初の時計学校、Prince Horology訪問!その3

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さて、コロナ禍で少し時間が空いてしまったが、カンボジア初の時計学校の訪問記の続き。

�の前に、現時点でのカンボジアの状況について。

伝え聞いたところによると、まもなく緊急事態宣言が発効される見通しとの事で、周辺国からやや遅れつつもカンボジアも長く暗い停滞の黄昏を迎えようとしている。

カンボジアのように若い国が、いかに伝染病と戦うというのか。観光収入に大いに依存し、アジア諸国からの投資に頼って都市・リゾート開発を進める国が、どういった痛手を受けるのであろうか、想像に難くない。困難な舵取りを担う政府首脳や官僚、経済・産業界のリーダーたちの苦労は果てしないものであろう。だが、過去この国に悲惨な歴史をもたらした無節操な革命政府とは違い、ウィルスは人類共通の敵であり、先人たちの生死をとした努力により戦う方法は分かっている。

願わくば、カンボジアの国にまたあの賑わいが戻りますように。

さて、いざ校内へ。

案内してくれたのはこの方。本来時計師の方とアポを取ろうとしていたのだが、春節のタイミングでちょうど欧州へ帰国中であったので、代理でわざわざ案内してくれたのであった。休日出勤であろう、申し訳ない。大変ありがたい。

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校内からは廊下づたいに広く窓がとられており、陽光が差す明るい雰囲気。


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いたるところに、このようにレリーフが飾られている。これはなんだったかな・・・・ ゼニス?
尚、写真も、その被写体もすべて校長のMr. Louiの私物だそうだ。

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ランゲのクロノグラフムーブも。美しい。。。。

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一流の設備を見て回る


学校自体はまだまだ設備をいれている途中だが、このようにもうほぼ仕上がっている。このサイズの教室が2部屋ある。めちゃめちゃ綺麗。。。広い。。。

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カンボジアなので湿気対策の加湿器は必須。

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こちら、洗浄室の一角。まだ機械の設置も終わってなくて、段ボールも山積み。この向こうには大量の研磨マシーンと研磨用の資材がつまれてあった。

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こちら、脱進機の模型。うしろにあるゼンマイをまけばほんとに動く。楽しい。

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これが学習用机。机から道具まで、すべてスイスから直輸入。ものすごい額の金をつぎ込んでいる。この学校にかける気合が見て取れる。

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当然のように、大小さまざまな道具はすべてベルジョン。
ベルジョンとは、時計用具の業界でまず間違いなく最高品質(と価格)の道具を提供しているメーカー。

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ライカの実態顕微鏡。2席ごとに1台、設置されている。

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こちら、Sylvacのマイクロメーター。当然のように一流メーカーである。

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作業机は昇降式。

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これは別の教室。奥に見えるホワイトボードのところに講師用の机があり、顕微鏡の映像を見せたりしながら授業を進められるようになっている。

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ベルジョンの指サック。取り放題w

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顕微鏡。映像を出せるようになっている。

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ため息の連続。。。

このように、家具も、機材もスイスの時計師が最高のものをスイスから輸入している。最高の品質を追求し、まったく金に糸目をつけていない事に驚かされる。さすがの財力。。。あらゆる光景が目の保養であった。

無人の、しかもまだ完成していない教室や備品であっても、 カンボジアから真の時計職人、そして時計ブランドを育てるんだという創業者の強い意志を感じることができる。



もそっと、つづーく。

カンボジア初の時計学校、Prince Horology訪問!その2

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というわけでカンボジアはプノンペンへ。このブログの読者の何人がカンボジアに行ったことがあるだろうか、あったとしてもほとんどはアンコール・ワットのあるシェムリアップではなかろうか?

プノンペンへ

こちらは首都プノンペンのプノンペン国際空港。東南アジア独特の空港に降り立った瞬間の熱気にまかれつつもリストショット。相棒はSINNのクロノグラフ、256。SINNの信頼性は圧倒的で、ついついこういった海外旅行に連れて行ってしまうのである。

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バゲッジクレームへ続く道。こぢんまりしているが、清潔で明るい空港である。

信頼できるSINN

SINNには、発汗を予測しラバーバンドを装着。圧倒的つけ心地、圧倒的機能性。SINNのような時計にはラバーバンドがお似合いである。

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SINN 256の精悍な佇まい。この時計はチタン製の屈強なケースの中に、信頼性の塊ともいえる高品質なETA7750が搭載されている。正確性はすさまじく、1-2年前にテンプを入れ替えとても元気に動いている。

プノンペン空港から市内へ


さて、空港から市内へは自動車でおよそ40分ほど。距離はとても短いのだが、渋滞がひどいのでこのくらいかかるのであった。平日の昼間についても渋滞がひどいので、週末はあまり考えたくない。

ホテルにチェックイン。プノンペンは海外資本のきれいなホテルがたくさんあるがそのどれもが非常に安く、とてもお得である。このホテルは以下の通りゴージャスな内装の広い部屋、清潔で明るい最新機器の揃うバスルームに日本以上のサービスがついて、一泊1万円を切る。無論、一部屋あたりの値段であって、複数人で泊まればもっと安くなる。

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プノンペンはメシウマ

カンボジアといえば旧インドシナ。フランス統治下におかれていた歴史があるだけあって食が豊かである。カフェも充実していて、早速気になっていたエリックカイザーへ。

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やはりめちゃくちゃうまい。。。

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周辺国でもエリックカイザーを食べたことがあるが、カンボジアが一番美味い。

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パンもコーヒーもめっちゃうまい。目当てのクロワッサンは残念ながら売り切れていたが、他のもうまかった。コーヒーはここで飲んだらもうスタバとかでは飲めない。

Prince Horologyへ向かう

腹ごしらえが終わり、さっそくPrince Horologyへ向かう。交通手段は、市内でもっともポピュラーな交通手段であるトゥクトゥク。ちょっとした距離であればだいたい1ドル、電車で2駅分くらいであれば2ドル程度。

Prince Horologyへはおよそ30分ほど。料金はたしか4ドルくらいだった気がする。なお、単位はUSDである。一応リエルという通貨もあるのだが、ドルのほうが便利だし流通している。

降りるときに運転席を撮らせてもらった。この箱がなにかわかるだろうか?
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カンボジアではGrabや、ローカルの配車アプリをつかいトゥクトゥクを呼ぶのが普通である。つまり、運転席にスマートフォンを設置するのが必須なのであるが、困ったことにプノンペン市内ではスマホのひったくりが横行しており、僕の知り合いも何人かやられたと言っていた。運転席のこの箱は、ひったくりからスマホを守るための彼なりの工夫であった。感心した。

いい笑顔である。
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アポイントメントが現実に

道路からすこし入ったところに、目的地であるPrince Horologyがあった。

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基金の看板と並べて、学校の看板が掲げられている。テンションめちゃめちゃ上がったw

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約束の時間である14:00きっかりに、一人の若者が厳重にロックされた鉄扉を開いて降りてくるのが見えた。辺りを見回し、僕の姿を認めると軽く会釈をしてきたので歩み寄り握手。

まだ開校前の時計学校、しかも東南アジアでも類を見ない最新機器の揃う施設に足を踏み入れる。間違いなく日本人では僕が初めてであろうw

若干の緊張と高揚感を抑えきれず、声が上ずって足取りが心もとない。紳士的な青年に案内され、3Fの会議室に通された。


つづーく。


 

カンボジア初の時計学校、Prince Horology訪問!その1

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時計サイトの気になるニュース

去年、SJXという時計愛好家のニュースサイトでこんな記事を発見した。

Cambodia’s First Watchmaking School Opens in Phnom Penh
https://watchesbysjx.com/2019/12/cambodia-watchmaking-school-prince-horology.html


なんと、カンボジアはプノンペンに、ガチの時計製作学校ができるそうだ。これには本当に驚かされた。

時計を学ぶ環境は限られている

というのも、従来、アジア人が時計製作を学ぶ機会というのはとても限られており、国産の時計メーカーを多数抱える我らが日本のいくつかの専門学校か、もしくは香港にある時計学校しか選択肢が無い…と当の国内時計学校関係者から聞いていたからである。そしてそれは仕方ない事なのだと、個人的にまったく意識する事は無かった。


Webサイトはこちら。
PRINCE HOROLOGY
https://princehorology.com/

なんと東南アジアに、しかも!カンボジアにこんな最先端の時計学校ができるなんて、全く想像がつかなかった。記事を見てもしばらくは何かの間違いじゃないかと思ったほどだ。
aaf無題
見よ、この最新設備。。。ため息がでる。。
aaf無題

時計愛に満ちた時計学校

気になって気になって仕方がない。素人時計師としてはもちろんだが、単純にビジネスや時計業界の将来展望などの観点からも、非常に気になるし、ワクワクさせられる案件である。

というわけで、どうしようもなく気になったので、はるばるプノンペンまで見に行く事にしたのであった。

アポ取りへのアプローチ

もちろん自分は良識ある社会人であるので、いきなり突撃して侵入するわけにもいかない。まだOpen前という事もあり色々と整っていないと思われたので、まずは手を尽くして関係者を探し出し、個人的にアポを取ることにした。これが結構苦労した。。。

先方もまさかイチ時計好きがコンタクトを取ってくるとは想定していなかったらしく、怪しくない者だと納得させるのに結構苦労した。が、こちらの意図に理解を頂いてからはとても紳士的かつ親切、丁寧な応対を受けてしまい、逆に恐縮しきりであった。

カンボジア初の時計制作学校設立の背景

尚、学校の名前は『Prince Horology』である。カンボジアでビジネスをしたことのある人ならすぐに分かるのだが、Princeというのは当地の不動産開発の一大企業グループで、この企業の設立した財団から援助を受ける形で開校している旨がサイトに記載されている。以下はこの基金のロゴ。
aaf無題





つづーく。



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